プレスリリース

ザイリンクスのビジョンガイド機械学習システム向けフレームワーク「reVISION™スタック」とイーソルのRTOSプラットフォームが連携

~OpenCVやCNNを活用したZynq®デバイスベースのコンピュータビジョンシステム開発において、リアルタイム性・信頼性の確保と開発効率化を支援~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、次世代のビジョンガイド機械学習システム向けフレームワーク「reVISIONスタック」と、イーソルのTRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel」およびその開発環境「eBinder」などを統合したソフトウェアプラットフォームが連携したことを発表します。

ザイリンクス社が開催する「ザイリンクス開発者フォーラム2017」(開催日:2017年10月17日(火)、会場:東京マリオットホテル)にて、「reVISIONスタックとシームレスに連携するイーソルのソフトウェアプラットフォーム技術」をテーマに、講演とデモ展示を行います。

reVISIONスタックは、Arm®コアとFPGAを統合したザイリンクスのZynq All Programmable SoCおよびZynq UltraScale+ MPSoC(以下Zynq SoCおよびMPSoC)を使った組込み機器開発で、機械学習ベースの画像認識アルゴリズムを容易に活用できる開発キットです。FPGA実装用に最適化されたOpenCV高速コンピュータビジョンライブラリや、ディープラーニング実現手法のひとつである各種CNN(※1)が用意されています。さらにreVISIONスタックには、C/C++言語およびOpenCLだけでシステム全体をプログラミングできるZynq SoCおよびMPSoC向け開発環境「SDSoC」が統合されています。SDSoCを使うことで、Armコアで実行する処理とFPGAアクセラレーションする処理を関数単位でクリック選択し、パフォーマンス検証やFPGAアクセラレーションを実装できます。

Zynq SoCおよびMPSoCのArmコア向けソフトウェア開発をサポートするイーソルのeT-Kernelベースソフトウェアプラットフォームは、SDSoCとの連携動作が行えます。reVISIONスタックを使ったコンピュータビジョンシステム開発において、SDSoCのプロジェクトをeBinderにシームレスにインポートできるため、FPGAアクセラレーションしたコンピュータビジョンライブラリや機械学習アルゴリズムを、Armコア上で動作するeT-Kernelベースのアプリケーションから、専用のライブラリを追加開発することなくすぐに利用できます。さらに、eT-Kernelの優れた性能により、IoTエッジデバイスやADAS(※2) 、工場用ロボット、医療診断機器などの先進的なコンピュータビジョンシステムにおいて、高いリアルタイム性と信頼性を実現します。

イーソルのリアルタイムOSベースプラットフォームは、多数のArmコアのサポート実績を持ち、Arm純正コンパイラを統合しています。eT-Kernelを中心に、eBinder、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。車載機器や産業用機器、航空・宇宙分野、コンシューマ機器、OA機器などで採用実績があります。eT-Kernelは、機能安全規格ISO 26262 ASIL D(自動車)およびIEC 61508 SIL 4(産業機器)の認証を取得しています。また、医療機器用ソフトウェアの開発と保守に関する安全規格「IEC 62304:2006 Medical device software-Software life cycle processes」準拠が認証された開発プロセスで開発されています。


※1 Convolutional Neural Network:畳み込みニューラルネットワーク
※2 Advanced Driving Assistant System:先進運転支援システム


Xilinx, Inc. SDSoC および Embedded Vision担当シニアプロダクトマネージャー, Nick Ni(ニック ニー)様
のコメント


「Armコアを使ったシステムで豊富な実績を持つイーソルのeT-KernelベースプラットフォームがreVISIONスタックと連携したことを歓迎します。この連携により次世代のコンピュータビジョンシステム開発において、リアルタイムOSのメリットを活用した効率的な開発と高い信頼性・リアルタイム性の実現に大きく寄与できるものと確信しています。」


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント


「SDSoCを統合したreVISIONスタックとeT-Kernelベースプラットフォームの連携により、Zynq SoC/MPSoCユーザはArmコア向けソフトウェア開発とFPGAアクセラレーションを容易に行えます。高信頼性や高品質が求められるコンピュータビジョンシステム開発の効率化を強力に支援します。」


■補足資料

eT-Kernelについて

eT-Kernelは、トロンフォーラム配布のT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。リアルタイムOSベンダーとしてのイーソルがμITRONで培った技術やノウハウを注ぎ込み、システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。トロンフォーラム配布のT-Kernelとの完全な互換性を保持しています。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせて選択できる、「eT-Kernel Compact」、「eT-Kernel Extended」、「eT-Kernel POSIX」の3つのプロファイルがあります。さらにマルチコアプロセッサに対応した「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」があります。

eT-Kernel詳細

eBinderについて

eBinderは、リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を提供するEclipseベース開発スイートです。シングルコアからマルチ・メニーコア、マルチCPUまでサポートするスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」および機能安全認証TRONベースリアルタイムOS「eT-Kernel」と緊密に統合化されています。シングルコアプロセッサ上でのデバッグと同じ感覚で、マルチ・メニーコアシステムをデバッグできます。多機能なシステム解析ツールによりリアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)で規定されている要件を満たす手順で開発を行っている信頼性の高い開発環境です。

eBinder詳細

イーソル株式会社について

イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています

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*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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