温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の相乗り衛星「小型実証衛星1型」搭載超小型宇宙実験プラットフォーム「スペースワイヤ実証モジュール(SWIM)」

独立行政法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 様

T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)様が2009年1月23日に打ち上げた温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の、相乗り衛星「小型実証衛星1型」に搭載された超小型宇宙実験プラットフォーム「スペースワイヤ実証モジュール(SWIM)」に採用されました。eCROSは、将来打ち上げが予定されている複数の人工衛星にも採用される予定です。

多種多様な目的と機能を持つ人工衛星の開発規模が増大するにつれ、高い信頼性を確保しながらいかに短期間・低コストで開発するか、また複雑で時間がかかる試験をいかに簡素化するか、が大きな課題になってきています。こうした課題を克服するために、JAXA様を中心とする産官学連携のもと人工衛星システムのアーキテクチャ研究が進められていますが、そのひとつの成果が宇宙機システム搭載コンピュータのための「Space Cubeアーキテクチャ」です。Space Cubeアーキテクチャは、「電源コンセントに差し込むような容易さ」で人工衛星にさまざまな機器を接続できることを目指して日米欧露などの各国宇宙機関やメーカーが規格の標準化や管理を行っている次世代衛星バス通信規格「SpaceWire」がインターフェースとして組み込まれています。Space Cubeアーキテクチャに従った標準コンピュータを採用することで小型衛星から大型衛星に共通して適用でき、スケーラブルで高い柔軟性を持つネットワークを衛星内に展開することができます。

SWIMは、このSpace Cubeアーキテクチャを具体化したコンピュータのSpaceCube2を内蔵しており、SpaceWireを用いたコンピュータの宇宙実証を目的としています。今後宇宙実証を経て、Space Cubeアーキテクチャを有するコンピュータやSpaceWireでつながったネットワークアーキテクチャを標準プラットフォームとして、小型科学衛星(2011年打ち上げ予定)、さらに次期国際X線天文衛星(2013年打ち上げ予定)、欧州宇宙機関との日欧共同プロジェクトである水星磁気圏探査機(2013年打ち上げ予定)などに採用されていく予定です。


  
SDS-1軌道上イメージ図  SpaceCube2  





宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究本部 高島 健 准教授のコメント

「μITRON仕様のリアルタイムOSは、人工衛星システムのさまざまな制御用OSとして定着しています。今回T-Kernelを選択したのは、μITRONのソフトウェア資産やエンジニアリソース、知識やノウハウの流用が容易な点に加え、T-Kernelの設計方針であるミドルウェアやデバイスドライバの共通化を目指すアーキテクチャにより、システム開発の時間面、コスト面での効率化が見込めたためです。eCROSはeT-Kernelに加えて、開発初心者でも使いやすい開発ツールや、細かなニーズに合ったプロフェッショナルサービスがプラットフォームとして整備されていたため、さらに効率的な開発を実現できました。」


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