プレスリリース

イーソルのリアルタイムOSベースプラットフォームが、ルネサス社MPU「RZ/G1M」搭載評価ボード「Armadillo-EVA 1500」をサポート

~TRONおよびLinux資産を流用した、低コスト・短期間・高品質なソフトウェア開発を支援~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、イーソルのマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」をコアとするソフトウェアプラットフォームが、ルネサス エレクトロニクス社(以下ルネサス)製MPU「RZ/G1M」を搭載したアットマークテクノ社製評価ボード「Armadillo-EVA 1500」に対応したことを発表します。これにより、Armadillo-EVA 1500を利用したソフトウェア開発において、μITRONやT-KernelなどのTRON資産とLinux資産を流用しながら、高い信頼性とリアルタイム性の確保を容易にします。eT-Kernelは各種安全規格(IEC 61508、IEC 62304、ISO 26262)に対応しているため、産業用ロボットや監視カメラなど特に高い安全性が求められる機器に最適です。

イーソルは「組込み総合技術展 関西/Embedded Technology West 2017」(会期:2017年7月12日(水)~13日(木)、会場:グランフロント大阪内コングレコンベンションセンター〔大阪・梅田〕)のイーソルブース(ブースNo.C-21)にて、RZ/G1Mを含むRZファミリに対応したeT-Kernelベースソフトウェアプラットフォームのデモを実演します。

RZ/G1Mは、最大1.5GHzの高い処理性能を持つデュアルコア ARM® Cortex®-A15 MPCore™プロセッサを搭載しています。3DグラフィックスやフルHD動画に対応したビデオプロセッサと、USB3.0やPCI Expressなどの高速インターフェースの採用により、高度なマルチメディア処理を実現できます。 RZ/G1M評価ボードとして市販されているArmadillo-EVA 1500を使うことで、様々な分野の組込み機器を想定した評価開発に手軽に着手できます。

eT-Kernelベースソフトウェアプラットフォームは、eT-Kernel Multi-Core Editionをコアに、ARM純正コンパイラをバンドルした統合開発環境「eBinder」、USBホスト/デバイススタック、ネットワークプロトコルスタック、ファイルシステムなどの各種ミドルウェアを統合し、製品サービスや受託開発を含むプロフェッショナルサービスが含まれます。eT-Kernelは、μITRONに似た構成を持つコンパクトでリアルタイム性の高いリアルタイムOS、Linuxとの高い互換性を持つPOSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、3つのスケーラブルなプロファイルで構成されています。TRONとPOSIXの2つのAPIをサポートしているため、μITRON、T-Kernel、Linuxなどのソフトウェア資産を活用できます。また、eT-Kernelは各種GUIツールへの対応実績があります。

eT-Kernel Multi-Core Editionは、独自の「ブレンドスケジューリング」技術によりARM® Cortex®-A15 MPCore™プロセッサが持つ優れた処理性能を引き出せるSMPとリアルタイム性を保証できるAMPの混在を可能にします。eT-Kernel Multi-Core Editionと緊密に統合されたeBinderは、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析を強力に支援する様々なツールを提供し、高品質なソフトウェアを効率的に開発できます。IEC 61508(産業機器)およびISO 26262(自動車)で規定されている要件を満たす開発を行っている信頼性の高い開発環境です。

eT-Kernelは、機能安全規格 ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)ともに最高の安全度水準(ASIL D、SIL 4)のプロダクト認証を取得しています。また、イーソルのリアルタイムOS製品の開発プロセスは、医療機器向け安全規格IEC 62304に準拠していることが認証されています。


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント


「今回、eT-KernelプラットフォームがArmadillo-EVA 1500に対応したことにより、TRON資産やLinux資産を流用したRZ/G1Mベースの高信頼ソフトウェア開発が容易になりました。イーソルは、車載機器や産業機器などのミッションクリティカルな分野での豊富な実績や機能安全規格への取り組みの経験を活かし、RZ/G1Mを使ったソフトウェア開発を包括的に支援します。」



■補足資料

eT-Kernel Multi-Core Editionについて

eT-Kernel Multi-Core Editionは、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのリアルタイムOSです。独自の「ブレンドスケジューリング」機能により、ひとつのシステム内で、SMP型およびAMP型が混在した複数個のプログラムを共存させられます。「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高スループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確保やソフトウェア資産の再利用の容易さといったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。

eT-Kernel Multi-Core Edition詳細

イーソル株式会社について

イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。

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