プレスリリース

イーソルの機能安全対応TRONベースソフトウェアプラットフォームが、ルネサス社の産業イーサネットアクセラレータ搭載CPU「RZ/Tシリーズ」をサポート


報道関係者各位
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、イーソルのTRONベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」が、ルネサス エレクトロニクス社(以下ルネサス)の産業イーサネットアクセラレータ「R-INエンジン」搭載CPU「RZ/Tシリーズ」をサポートしたことを発表します。機能安全規格IEC 61508(産業機器)SIL 4およびISO 26262(自動車)ASIL Dのプロダクト認証を取得し、FA・産業機器、車載機器、人工衛星システムなど、幅広い分野で多数の採用実績あるeT-Kernelプラットフォームを利用することにより、RZ/Tシリーズを使った産業用モータ制御機器やアクチュエータなどの産業機器向けソフトウェア開発において、高いリアルタイム性と信頼性を確保できます。

イーソルは「第18回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」(会期:2015年5月13日(水)~15日(金)、会場:東京ビッグサイト(東京・有明))のイーソルブース(ブース番号:西7-20)にて、RZ/Tに加え、RZ/Aシリーズ、RZ/Gシリーズ、R-Carなどルネサスの各種CPUに対応したeT-Kernelプラットフォームのデモを実演します。

RZ/Tシリーズは、ハードリアルタイム性が求められる組込みシステムに適したARM® Cortex®-R4Fコアを搭載し、キャッシュを経由しないアクセスが可能な密結合メモリにより優れたリアルタイム性を実現できます。ECC(Error Check and Correct)メモリにより、メモリに記録された値の整合性の検出と適切な値への書き換えが可能なため、信頼性を向上できます。さらに、イーサネットの標準処理をハードウェア化した産業イーサネットアクセラレータ「R-INエンジン」を内蔵しており、厳しいリアルタイム性が求められるハイエンドな産業機器システムにおいて、高いリアルタイム性の確保と、安定した高速通信および低消費電力の実現が容易です。

eT-Kernelプラットフォームは、μITRONのアーキテクチャと性能を引き継ぐリアルタイムOS「eT-Kernel」をコアに、開発環境「eBinder」、ネットワークプロトコルスタック、ファイルシステム、USBホスト/デバイススタック、グラフィックスを含む各種ミドルウェア、およびプロフェッショナルサービスが統合されています。eT-Kernelは、μITRONに似た構成を持つコンパクトでリアルタイム性の高いリアルタイムOS、Linuxとの高い互換性を持つPOSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、3つのスケーラブルなプロファイルで構成されており、ローエンドからハイエンドまで、アプリケーションの規模と機能に合せた最適なものを選択できます。RZ/Tシリーズに対応したeT-Kernelは、ARM Cortex-R4Fに搭載されたメモリ保護ユニット(MPU)をサポートし、カーネル空間とユーザアプリケーション空間を分離できる保護機能を提供します。アプリケーション開発には、eT-Kernelと密に統合されたeBinderを利用できます。リアルタイムOSを使ったソフトウェア開発に特化したeBinderを利用することで、高品質なアプリケーションを効率的に開発できます。

eT-Kernelは、機能安全規格 IEC 61508(産業機器)およびISO 26262(自動車)ともに最高の安全度水準(ASIL D、SIL 4)のプロダクト認証を取得しており、セーフティ・クリティカルなシステム開発へのeT-Kernelの適用性が確認されています。イーソルは、eT-Kernelに加え、セーフティ関連ドキュメントをパッケージにした「eT-Kernel Platform Safety Package」を提供し、機能安全規格の適合を目指すユーザを対象に、コストの低減と製品の市場投入期間の短縮に貢献します。

eT-Kernelプラットフォームは、ルネサスのRZ/Tシリーズに加え、RZ/GおよびRZ/AなどのRZファミリ、R-Car、SuperHファミリなど、ルネサスの各種マイコンやシステムLSIをサポートしています。イーソルは、R-Carコンソーシアムをはじめとするルネサスのプラチナパートナーとして、ルネサスとの連携のもとRZ/Tシリーズをはじめとする各種マイコンやシステムLSIにeT-Kernelプラットフォームを対応させ、市場のニーズに応じた製品開発し提供していきます。


ルネサス エレクトロニクス株式会社 第二ソリューション事業本部 産業第一事業部長 傳田 明 様のコメント
「イーソルは、様々な分野での採用実績と高い技術力を持つ、ルネサスの重要なリアルタイムOSのパートナーです。eT-KernelプラットフォームがRZ/Tシリーズをサポートすることにより、RZ/Tシリーズを使った産業機器システム開発向けに、高品質なソフトウェア開発環境が提供されることを歓迎します。」

イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント
「弊社のeT-KernelプラットフォームがRZ/Tシリーズに対応したことにより、産業用モータ制御機器やアクチュエータ、ACサーボドライブなど、高い処理応答性能を求められるハードリアルタイムシステム開発に携わるソフトウェア開発者を、強力に支援します。イーソルはルネサスのプラチナパートナーとして、今後もRZ/Tシリーズをはじめとするルネサスの各種CPUを使ったシステム開発を、包括的にサポートしていきます。」


■補足資料

eT-Kernel Platformについて

eT-Kernelプラットフォームは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eT-Kernelプラットフォームにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eT-Kernelプラットフォームは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。eT-Kernelの3つのプロファイルの1つで、すべてのプロファイルの核となる「eT-Kernel/Compact」は、機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)ともに最高の安全度水準(ASIL D, SIL 4)の第三者認証を取得しています。

eT-Kernel Platform詳細


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。
イーソル会社情報へ


*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

報道関係者向けPDF形式ファイルはこちら