2009年3月2日
報道関係者各位
イーソル株式会社

ソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が富士通マイクロエレクトロニクス製カーナビ・ダッシュボード向けLSI「MB86R01」をサポート


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、カーナビゲーション機器(以下、カーナビ)やデジタルダッシュボードなどの車載端末向けに富士通マイクロエレクトロニクス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡田 晴基)が開発したARMコア搭載LSI「MB86R01」を、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」がサポートしたことを発表します。これにより、「MB86R01」を使ってカーナビやダッシュボードなどの車載システムを開発する開発者は、統合化されたeCROSを使うことで、ソフトウェアプラットフォーム構築に労力をかけずにアプリケーション開発に注力でき、競争力のある商品を短期間、低コストで開発することができるようになります。

eCROSは、T-KernelやμITRONといったリアルタイムOSを中心に、開発環境、各種ミドルウェア、さらにポーティングやカスタマイズ、受託開発などのプロフェッショナルサービスで構成される統合化されたソフトウェアプラットフォームです。このたび「MB86R01」に対応したリアルタイムOSはT-Kernel拡張版「eT-Kernel/Compact」です。今後市場のニーズに応じ、「MB86R01」内蔵コントローラをサポートした、USBホスト/デバイス側スタックやSDメモリカード用ドライバなどの開発を予定しています。開発者はeCROSを採用することで、独自性と競争力の源となる上位のアプリケーション開発に専念することができ、最終的に短期間、低コストで車載端末機器を開発できます。さらにeCROSはすでにカーナビなどの車載機器へ搭載実績があり、高い信頼性を持っています。イーソルがこれまでに車載分野で得たノウハウや経験を利用し、高品質で堅牢性の高い車載端末機器を、効率的に開発できるようになります。

「MB86R01」は、ARM社製CPUコア「ARM926EJ-S™」および、組込み機器に最適な2D/3Dグラフィックス・ディスプレイ・コントローラを搭載し、また、車載ネットワークであるCAN、Media LBやマルチメディア用途に最適なUSB2.0ホスト/ファンクション、SDメモリコントローラ、ATAPIコントローラなど各種周辺インターフェースを備えています。2画面の同時表示出力と2系統のビデオ入力に対応し、最大で6面の画面重畳や、取り込んだビデオ画像を変換してグラフィックス表面に貼り付けることができます。さらに不正な改ざんや読み出しを防止するために暗号化したプログラムコードを処理することができます。「MB86R01」は車載端末機器に要求される多種、多彩な機能をバランスよく1チップに集積した製品で、開発者は「MB86R01」を利用することで、高いシステム性能を維持したまま、グラフィックス志向の車載端末システムを省スペースかつ低コストで実現することができます。


富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 基盤商品事業本部ソフトウェア技術統括部長
升谷 江一様 のコメント

「「MB86R01」は、カーナビやダッシュボードといったグラフィックス機能を持つ車載システムに最適なLSIです。この「MB86R01」を、車載機器で実績のあるイーソル社の統合化ソフトウェアプラットフォームeCROSがサポートすることにより、お客様は短期間・低コストで競争力のあるアプリケーション開発に集中することができます。また、車載機器開発での経験とノウハウの豊富なイーソル社のサポート力は、お客様の製品開発を強力に支援できると期待しています。」

イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「カーナビやダッシュボードなどの表示画面は、操作方法や表示内容が一目でわかるように、より分かりやすく洗練される傾向ですが、そのGUIの開発量は膨大で、開発者の負担になってきています。グラフィックス機能が優れた「MB86R01」と、その「MB86R01」上で即座に使えるeCROSを使うことで、こうした車載端末機器の開発期間の短縮と開発コストの削減が可能になります。イーソルは、車載機器開発の実績で得た経験とノウハウをもとに、車載端末機器のソフトウェア開発を包括的に支援します。」


補足資料

■eT-Kernelについて
eT-Kernelは、リアルタイムOSベンダーであるイーソルがこれまでμITRONで培ってきたノウハウと技術をもとにして、T-Engineフォーラムが配布するオープンソースのT-Kernelに性能面・機能面で改良・拡張を加えたT-Kernelの拡張版です。システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性、タスク切り替えの高速化、コンフィギュレーションによるメモリフットプリント調整機能、ハードウェア依存部のレイヤー化、モジュール化による移植性の向上などを実現しました。eT-Kernelには、システム規模と用途にあわせた4つのプロファイルがあります。μITRONと近い構成を持つμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」、eT-Kernel/CompactをベースにT-Engine標準のデバイスドライバが付属した「eT-Kernel/Standard」、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートする大規模開発に最適な「eT-Kernel/Extended」、およびPOSIXに準拠した「eT-Kernel/POSIX」です。

「eT-Kernel」詳細



■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細



■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた3つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。



*ARM/ARM926EJ-Sは、ARM Limitedの商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrUSBはイーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。