2006 年 4月 13日
報道関係者各位
イーソル株式会社

MIPSアーキテクチャベースの「VR5701A」搭載T-EngineボードをサポートしたイーソルのT-Kernel「eT-Kernel」と組込みソフトウェア開発環境「eBinder」をリリース


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルのT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とT-Kernelベースシステム開発スイート「eBinder」の、MIPSアーキテクチャをベースにした NECエレクトロニクス製64ビットCPU「VR5701A」を搭載した標準T-Engineボード(T-Engine/VR5701)への対応を完了し、同製品をリリースしたことを発表します。T-Engine/VR5701上でのソフトウェア開発時に、eT-KernelとeBinderを採用することで、高い性能と信頼性をもつシステムを、効率的に開発できます。

eT-Kernelは、T-Engine標準のリアルタイムOSであるT-Kernelを、イーソル独自のノウハウと技術で改良・チューニングした組込みシステム向けのリアルタイムOSです。システム起動時間の大幅短縮、高速な割込み応答性の確保、サービスコール全般の高速化、メモリフットプリント調整機能など、組込みシステムに必須の機能、性能を実現しました。eT-Kernelには、アプリケーションの規模と用途によって選択できる三種類のプロファイルを持っています。今回T-Engine/V
R5701に対応したのは、 T-Engine標準ドライバが付属する「eT-Kernel/Standard」およびコンパクトでμITRONからの移行に最適な「eT-Kernel/Compact」 です。現在、メモリ保護機能とプロセスモデルをサポートした「eT-Kernel/Extended」の対応作業を進めています。

eBinderは、T-Kernelを使ったソフトウェア開発のための開発スイートです。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。また、JTAG ICEとの連携機能や、複数チーム、複数サイトでの分散開発を支援するプラットフォームパッケージ機能など、大規模なリアルタイムシステム開発に必須の機能を提供しています。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

NECエレクトロニクス社製「VR5701A」は、内部動作周波数336MHzのVR5500 CPUコアをCPUコアとする、MIPS命令セットアーキテクチャ準拠の高性能64ビットRISCマイクロプロセッサです。高速メモリ、システムバス(PCI)、通信(UART/CSI)、ストレージ(IDE)、I/O(USB)、サウンド(AC-Link)などのインタフェースを搭載しています。特に大容量のデータを蓄積できるハードディスクとのインタフェースであるIDEインタフェースが搭載されているので、携帯音楽/メディアプレーヤーをはじめとする大容量データを扱うマルチメディア機器に適しています。また、T-Engineボードの標準化のメリットにより、標準化されたデバイスドライバを使うことができるので、いちからドライバを開発する必要なく、アプリケーション開発に注力することができます。

「eT-Kernel」詳細


「eBinder」詳細



NECエレクトロニクス株式会社
第四システム事業本部 第二マイコン事業部 グループマネージャ 小野 洋彦 様 のコメント

「T-Engine/V
R5701に搭載されたVR5701A組込みプロセッサは、高性能なVR5500 CPUコアを採用しているほか、IDEインタフェースなどの豊富なインタフェースを搭載しています。VR5701Aの特長を最も活用できる、大容量データを扱うマルチメディア機器などの組込みシステムでは、ソフトウェアにおいて多くの機能をユーザが使いやすい形で実現することが必要です。今回発表した、組込みソフトウェア開発で実績があるイーソルのeT-KernelとeBinderを使ってこうしたソフトウェア開発を行うことで、競争力のある製品を効率的に開発できると確信しています。」

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「このたびのリリースによって、高性能なV
R5701Aを搭載したT-Engineボード上のソフトウェア開発が、低コスト、短期間で行える環境が整いました。T-Kernelを改良したイーソルのeT-Kernelを使うことで、高性能で高い信頼性を持ったシステムを開発できるほか、T-Engine標準のデバイスドライバが付属する「eT-Kernel/Standard」を使うことで、ドライバの新規開発をいちから開発せずに、製品の差別化ができるアプリケーション開発に集中できます。また、T-Kernelを使ったソフトウェア開発に特化したeBinderを使用することで、リアルタイムシステムに起こりやすい問題を容易に解決することができ、信頼性の高いシステムを効率よく開発することができます。また、ソフトウェア資産の再利用ができるというT-Engineの最大のメリットにより、製品のシリーズ展開など将来を見据えた開発が可能です。

■補足資料
イーソル株式会社 について

イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、 組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一 貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
イーソルはT-Engineフォーラムの幹事会員として、T-EngineおよびT-Kernel関連の技術開発、サービス提供を強力に進めています。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」のほか、T-Kernel の拡張版「eT-Kernel」、μITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」のリアルタイムOSをはじめとするRTOS/ミドルウェア製品群「eParts」 のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに 「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。


*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
* eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDはイーソル株式会社の商標です。
  * V
Rは、NECエレクトロニクス株式会社の商標です。
            * MIPSは、MIPS Technologies, Inc.の登録商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。