プレスリリース

リアルタイムOS μT-Kernel 2.0対応のSSL暗号化ライブラリの提供を開始(共同リリース)


報道関係者各位 
イーソル株式会社
wolfSSL, Inc.
ユーシーテクノロジ株式会社


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)、wolfSSL, Inc.(ウルフSSL、本社:米ワシントン州シアトル、代表取締役:Larry Stefonic、以下wolfSSL)およびユーシーテクノロジ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:諸隈 立志、以下UCT)は、ARM® Cortex®-Mシリーズマイコン向けの最新リアルタイムOS「UCT μT-Kernel 2.0」に対応した組込み機器向けSSL暗号化ライブラリの提供を開始したことを発表します。

UCTが開発し、イーソルが販売する、UCT μT-Kernel 2.0と通信プロトコルスタック「lwIP for UCT μT-Kernel 2.0」に、組込み向けSSLライブラリで実績のあるwolfSSLが開発した「CyaSSL(Cヤスル)」の移植を行いました。これにより、組込み機器の開発に軽量化・高速化されたSSLライブラリを使用することができます。

「Freescale Technology Forum Japan 2014」(会期:2014年10月6日(月)、会場:ザ・プリンス パークタワー東京)のイーソルブースにて、本製品のデモを実演します。

ARM Cortex-Mシリーズを搭載したマイコンは、産業機器や車載制御機器など、低消費電力と低コストが求められるシステムで広く採用されています。機能が限定された従来のマイコンシステムと比べ、ネットワーク機能をはじめとする高度な機能が搭載された近年のシステムでは、ソフトウェア規模の拡大が顕著です。これらのシステムでは、開発効率とシステムのメンテナンスの容易性を向上するために、小フットプリントで高速なリアルタイムOSが求められています。μT-Kernelは、MMU(Memory Management Unit)を持たないCPU/マイコンを利用した小規模な組込みシステムに特化したリアルタイムOSです。機能を絞り込み、省資源化と優れたリアルタイム性が実現されています。μT-Kernelは、T-Engineフォーラムが仕様とリファレンスコードの開発を行い、オープンソースで提供されています。

UCTは、T-Engineフォーラムが策定した最新版のリアルタイムOS仕様「μT-Kernel 2.0仕様」を元に、各種マイコン向けに最適化した「UCT μT-Kernel 2.0」を開発して提供しています。また、組込み機器で広く利用されている通信プロトコルスタックlwIP(lightweight TCP/IP)をUCT μT-Kernel 2.0に移植し、「lwIP for UCT μT-Kernel 2.0」として提供しています。

イーソルは、このUCT μT-Kernel 2.0に加えて、開発環境やコンパイラ、JTAG ICEなど、ARM Cortex-Mマイコン向けのソフトウェア開発に必要な要素をパッケージ化した「UCT μT-Kernel 2.0 GCC開発キット」や、各種対応ミドルウェアを販売しています。

組込みSSLライブラリ「CyaSSL」は、ネットワーク・セキュリティの専門ベンダーであるwolfSSLが、組込み向けに開発した軽量、高速のSSLライブラリです。コンパクトでありながらTLS1.2やopenSSL互換APIのサポート、各社MPUのハードウェア暗号化エンジンのサポートなど、最新の暗号化、セキュリティ技術に追従するライブラリとして、既に世界十数か国以上で組込みシステムの開発に利用されています。オープンソースと商用のデュアル・ライセンス方式で、社内評価、試作段階から製品版と同等のオープンソースを利用できるため、性能、資源量、さまざまなインタフェースなど複雑な要件の絡み合う組込みシステムにおいて、迅速な開発を実現できます。



■補足資料

μT-Kernelについて

μT-Kernelは、ユビキタス・コンピューティング基盤技術の標準化・推進団体であるT-Engineフォーラム(東京都品川区、会長:坂村健、東京大学教授)が標準化し、仕様書、リファレンスコードを無償公開しているリアルタイムOSです。小規模な組込みシステムを対象とし、従来広く利用されているμITRONの最新版にあたります。特にシングルチップマイコンの内部メモリ・リソースだけを使用した環境でも性能を発揮できるよう最適化された設計となっています。

SSLについて


SSL(Secure Socket Layer)は現在、世界で最も広く使われているネットワーク・セキュリティの標準プロトコルです。SSLは最初1990年代にネットスケープコミュニケーションズ社で開発され、その後IETFでTLS(Transport Layer Security)として標準化されました。現在も当初のSSLの呼称が広く使われていますが、標準の内容は、暗号化、セキュリティ技術の進歩、セキュリティ脅威の変化とともに、最初に実用化されたSSL2.0から現在のTLS1.2まで進化してきており、IETF内ではさらに次のバージョンが検討されています。標準プロトコルとして後方互換性は保持されていますが、安全なシステムの実現のためには、常に最新の技術に追従していく必要があります。

wolfSSLについて


wolfSSL, Inc. はネットワーク・セキュリティの専門ベンダーとして2005年に創立。主力製品のCyaSSLはコンパクトながら最新の暗号化アルゴリズム、セキュリティ標準に準拠したアプリケーション組込み用ライブラリとして、マイコン組込みシステム、スマートフォンやPC、サーバ・アプリケーションにも組み込まれ広く利用されています。製品版とまったく同等の機能を無償のオープンソースでも利用可能なデュアル・ライセンス方式をベースに、これまで、北米、ヨーロッパ各国を中心に広く使われてきており、日本でもユーザを広げつつあります。

wolfSSL, Inc.ホームページ


イーソル株式会社について


イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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ユーシーテクノロジ株式会社について


ユーシーテクノロジ株式会社は、最先端のユビキタス・コンピューティング技術を適用したIoTやM2M分野のユニークなプロダクトやソリューションを提供しています。これらの分野のコア技術として組込みシステム向けRTOSについても重点を置き、多数の製品とサービスを提供しています。特にコンパクトで高いリアルタイム性能を誇る『UCT μT-Kernel』や、各種マイコン、ターゲットボードへのT-Kernel、μT-Kernelのポーティング、産業向け・民生向けのミドルウェア、アプリケーション開発などお客様のニーズに応える製品をご提供しています。

ユーシーテクノロジ社ホームページ


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