概要
Arm Cortex-Mシリーズを搭載したマイコンは、産業機器や車載制御機器など低消費電力と低コストが求められるシステムで広く採用されています。機能が限定された従来のマイコンシステムと比べ、ネットワーク機能など高度な機能を搭載してソフトウェア規模が拡大したシステムでは、開発効率とシステムのメンテナンスの容易性を向上するために、小フットプリントで高速なリアルタイムOSが求められています。
イーソルは、このようなシステム向けのリアルタイムOSと開発環境の開発および販売で、ユーシーテクノロジ社と協業しています。
使用目的を教育に限定した、数量(使用する人数)をまとめた安価なパッケージのご提案も可能です。組込みシステムやリアルタイムOSをテーマとした研修や学習用途に最適です。パッケージ内容などの詳細は、お問い合わせください。
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UCT μT-Kernel 2.0 GCC開発キットの開発とメンテナンスおよびサポートは、ユーシーテクノロジ社が行います。
特長
このような方に最適です
- 開発環境の初期投資を抑えたい
- リアルタイムOSを使ってみたい
- 動作確認済みの環境を入手したい
- マイコンの変更に合わせ、最新のT-Kernelに意向したい
- 手軽にTCP/IPを使いたい
- 組込みシステムやリアルタイムOSの研修・学習向けの安価なパッケージを探している
製品構成
UCT μT-Kernel 2.0 GCC開発キット
ソースコード
- UCT μT-Kernel 2.0
- サンプルドライバ(シリアル、イーサネット)
- サンプルプログラム(TCP/IPプロトコルスタック、簡易シェル)
- アプリケーションのテンプレート
開発環境
独Segger社製JTAG-ICE「J-Link」
3ヶ月間のサポート(6ヶ月単位で延長可能)
UCT μT-Kernel 2.0の量産ライセンス
(マイコン型番限定のプロジェクトライセンス、ロイヤリティ不要)
各種ドキュメント
開発環境追加ライセンス
開発環境
独Segger社製JTAG-ICE「J-Link」
UCT μT-Kernel 2.0 追加量産プロジェクトライセンス
プロジェクト/マイコンを追加する際のプロジェクトライセンス
動作確認済みマイコンおよび評価ボード
メーカー |
シリーズ |
CPUコア |
マイコン型名 |
評価ボード |
NXPセミコンダクターズ社 |
Kinetis |
Arm Cortex-M4 |
MK60DN512VMD10 |
TWR-K60D100M |
MK60FN1M0VLQ12 |
TWR-K60F120M |
MK70FN1M0VMJ12 |
TWR-K70F120M |
MK64FN1M0VLL12 |
FRDM-K64F |
STマイクロ エレクトロニクス社 |
STM32 |
Arm Cortex-M3 |
STM32F217IGH6 |
STM3221G-EVAL |
Arm Cortex-M4 |
STM32F437IIH6 |
STM32437I-EVAL |
STM32F439NIH6 |
STM32439I-EVAL2 |
サイプレス セミコンダクタ社 |
FM3 |
Arm Cortex-M3 |
MB9AFB44NA |
MB9AFB44NPMC |
MB9AF312K |
SK-FM3-48PMC-USBSTICK |
FM4 |
Arm Cortex-M4 |
MB9BF568R |
SK-FM4-U120-9B560 |
東芝 セミコンダクター&ストレージ社 |
TX03 |
Arm Cortex-M3 |
TMPM369FDFG |
TMPM369-SK |
TX04 |
Arm Cortex-M4 |
TMPM440FEXBG |
TMPM440-SK |
※2018年5月現在
上記の評価ボードでは、トロンフォーラムが会員限定で公開しているT-Kernelテスト スイートによる動作確認済です。
- 対応マイコン、評価ボードは順次追加されます。詳細はお問い合わせください。
- 上記以外の評価ボードやお客様が開発されたボード、他のマイコンで動作させる場合などは、ターゲットとするボードやマイコンに合わせて、周波数やメモリ、周辺I/Oなどを調整することで対応可能です。
- UCT μT-Kernel 2.0はソースコードでご提供します。
開発キットの製品内容
UCT μT-Kernel 2.0
- トロンフォーラムが公開しているμT-Kernel 1.01.02をベースに、ユーシーテクノロジ社が最新版のμT-Kernel 2.0仕様に対応させ、各マイコンに最適化
- Arm Cortex-M3/Cortex-M4それぞれの機種依存部を共通化、同一コア間での移植作業の効率が向上
- 最小構成は、ROM:7KB、RAM:1KBで動作可能
ROM:36KB、RAM:14KBで、簡易HTTPサーバが動作可能
(μT-Kernel 2.0、イーサネットドライバ、簡易HTTPサーバDHCPクライアントを含む)
- 各マイコンに対応した開発環境プロジェクトファイルが付属、煩雑な設定作業が不要
開発環境
EclipseからMinGW(Minimalist GNU for Windows)上のmakeコマンドを起動してビルドすることで、ロードモジュールに変換。生成したロードモジュールはEclipse CDT経由で、MinGW上のgdb、J-Link GDB Server、J-Linkを経由して評価ボードにプログラムをダウンロード。ダウンロードしたプログラムは、EclipseのGUI経由で制御しながらのデバッグが可能。
- バージョン
- 統合開発環境Eclipse Version 4.3.1
- コンパイラGCC Version 4.7.3 (Arm Cortex-M用にビルド)
- デバッガGCB Version 7.6.1 (Arm Cortex-M用にビルド)
- デバッグアダプタJ-Link用ソフトウェア Version 4.90c
- ホストPC動作環境
- Microsoft Windows 7を実行できる標準型PC
- RAM:1GB以上(推奨)
- ハードディスク空き容量:3GB以上(推奨)
- ディスプレイ解像度:1024×768以上(推奨)
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 ※クリックすると拡大画像が表示されます。 |
独Segger社製JTAG-ICE「J-Link」
- ハードウェア構成
- 標準20ピンコネクタ付き
- 20ピンターゲットリボンケーブル
- USBケーブル
- 特長
- RAMやフラッシュメモリへの高速ダウンロードや、マイコンのフラッシュメモリ内に無数の分断点の設定が可能
- ダウンロードスピードは1MB秒以下
- 幅広い電源電圧(1.2V~3.3V、5V)に対応
- J-Link詳細(英語)
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TCP/IPプロトコルスタック「uIP」(サンプルプログラム)
- 組込み用オープンTCP/IPプロトコルスタックで実績のある「uIP」
- 基本セット:ARP、SLIP、IP、UDP、ICMP(ping)、TCP
- サンプルアプリケーション:HTTP server、DNS hostname resolver、DHCP client
- イーサネットドライバは、μT-Kernelのデバイスドライバ仕様で実装
各種ドキュメント
- UCT μT-Kernel 2.0取扱説明書
- UCT μT-Kernel 2.0実装仕様書
- UCT μT-Kernel 2.0ソースコード説明書
- T-Engineデバイスドライバインタフェースライブラリ実装仕様書
- RS-232Cドライバ実装仕様書
- LANドライバ実装仕様書
- uIP実装仕様書
- UCT μTK2.0テンプレートサンプル説明書
- μT-Kernel 仕様書 Ver. 2.00.00(※)
- T-Engineデバイスドライバインタフェースライブラリ仕様書 Ver.1.00.00(※)
- T-Engine標準デバイスドライバ仕様書 Ver.1.00.01(※)
(※)は、トロンフォーラムが公開している仕様書
UCT μT-Kernel 2.0対応ミドルウェア(オプション)
lwIP for UCT μT-Kernel 2.0
- 組込みシステム向けに開発された軽量かつ高機能なTCP/IPプロトコルスタックで、多くの実績を持つlwIP v1.4.1 (lightweight TCP/IP)をUCT μT-Kernel 2.0に移植
- BSDライクのソケットAPIのためアプリケーション開発が容易
- 必要な機能/性能に最適なコンフィギュレーションが可能
(ROM:20~40KB、RAM:10~20KBで動作)
- 対応プロトコル:IPv4/IPv6、ICMP、UDP、TCP、ARP、IGMP、PPP、PPPoE、DHCP、AUTOIP、DNS、SNMP
- 量産ライセンス:マイコン型番限定のプロジェクトライセンス、ロイヤリティ不要
- 1年間のサポート込み(1年単位で延長可能 240,000円)
FatFS for UCT μT-Kernel 2.0
- FatFs R0.10 をUCT μT-Kernel 2.0に移植
- 小規模な組込みシステム向けに開発された超軽量のFATファイルシステムで独自API
- FAT12/16/32に対応、LFN(Long File Name)にも対応可能
- 必要な機能/性能に最適なコンフィギュレーションが可能
(ROM:3~10KB、RAM:1~2KBで動作)
- 量産ライセンス:マイコン型番限定のプロジェクトライセンス、ロイヤリティ不要
- 1年間のサポート込み(1年単位で延長可能 240,000円)
*1)μT-Kernel
ユビキタス・コンピューティング基盤技術の標準化・推進団体であるトロンフォーラムが標準化し、仕様書、リファレンスコードを無償公開しているリアルタイムOS。MMU(Memory Management Unit)を持たないCPU/マイコンを利用した小規模な組込みシステムを対象としている。
*2)μT-Kernel 2.0
- μT-Kernelの第2世代のリアルタイムOSで、16ビットを含むシングルチップマイコンやROM/RAMの少ない環境、MMUがないような小規模システム向けに最適化・適応化が行いやすい仕様
- M2M(Machine to Machine)やIoT(Internet of Things)ノードに最適
- T-Kernelとの互換性を重視し、デバイスドライバやミドルウェアの流通性を実現
- サービスプロファイルの導入により、マイコン固有のチューニングと異なるマイコンのミドルウェアやアプリケーションコードの共通化の両立が可能
●μT-Kernel 2.0の概要とUCT μT-Kernel 2.0 GCC開発キットの技術資料をダウンロードできます。
※ダウンロードには、ユーザ登録(無料)が必要です。
※ログイン後、「マテリアル検索」画面でPMコード【BGD_9KG_100_000】 を入力し検索を行ってください。
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