プレスリリース

イーソルのPOSIX仕様準拠リアルタイムOSプラットフォームが、ブラザー工業のドキュメントスキャナー2機種に採用


報道関係者各位 
イーソル株式会社
ドキュメントスキャナー「JUSTIO」
ADS-3600W ADS-2800W

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)が開発したドキュメントスキャナー「JUSTIO(ジャスティオ)」の新製品2機種に、イーソルのPOSIX仕様準拠リアルタイムOS「eT-Kernel/POSIX」開発ツール「eBinder」大容量メディアに最適化されたファイルシステム「PrFILE2/exFAT」で構成するT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」が採用されたことを発表します。TRONアーキテクチャを引き継ぎながら、イーソル独自の技術でPOSIX仕様に本格的に準拠したeT-Kernel/POSIXの採用により、豊富なLinuxおよびTRONベースのソフトウェア資産の流用と共存を可能にしました。

eT-Kernelプラットフォームは、ドキュメントスキャナー「JUSTIO」の最上位モデルの「ADS-3600W」および「ADS-2800W」の2機種に採用されました。ADS-3600Wは、ブラザー工業の従来機種(ADS-2500W)と比較して約2倍の高速読取を実現しています。さらにNFC(Near Field Communication:近距離通信技術)機能を搭載し、ADS-3600W本体に社員証などのデータを事前に登録しておくことで、社員証をかざした際に社員ごとの設定データを呼び出すことも可能です。ADS-3600W、ADS-2800Wともに原稿の搬送方式に新たに「リバースローラ方式」を採用したことで、従来方式に比べて用紙の厚みに関わらず原稿を1枚ずつ、より確実に分離できます。また、直感的な操作を可能にするタッチパネル液晶を搭載しています。無線LAN機能を搭載し、スマートフォンやタブレットPCなどのモバイル端末とクラウド連携が容易です。これにより、デジタルデータの作成・共有の効率化を実現しています。

今回採用されたeT-Kernel/POSIXは、pthread、シグナル、プロセス間通信などをプロセスおよびシステムレベルで完全サポートした、本格的なPOSIX仕様準拠リアルタイムOSです。Linuxを含むUNIX系OS上の既存のソフトウェア資産や、市販/オープンソースの豊富なソフトウェアを利用しながら、eT-Kernelの優れたリアルタイム性能を採り入れたシステムの構築を可能にします。一つのシステム内にPOSIXベースとT-Kernelベースのアプリケーションを共存させることもできます。PrFILE2/exFATは、FAT12/16/32およびexFATに対応しています。USBメモリやフラッシュメモリカードなど32ギガバイトを超える大容量メディアに最適化されており、大容量ファイルを高速に取り扱うことができます。ソフトウェア開発には、eT-Kernelと緊密に統合された「eBinder」が使われています。eBinderはリアルタイムOS向けのソフトウェア開発に特化した機能やツール群を提供しており、高品質なソフトウェアを効率的に開発できます。

▽「ADS-3600W」詳細: http://www.brother.co.jp/product/printer/scanner/ads3600w/index.htm
▽「ADS-2800W」詳細: http://www.brother.co.jp/product/printer/scanner/ads2800w/index.htm
▽ブラザー工業株式会社 ウェブサイト: http://www.brother.co.jp/


イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント

「ブラザー工業様のドキュメントスキャナー2機種に、eT-Kernelプラットフォームをご採用いただき大変光栄です。eT-Kernelは、高性能・多機能な現在のコンシューマおよびビジネスユースの製品開発を強力に支援する様々な技術を実装しています。その結果、多種多様な機器で採用された実績があります。その採用実績から実証された高い信頼性と機能性をご評価いただけたのではないかと思っております。イーソルは今後も、リアルタイムOSをはじめとする組込み向けの各種製品や受託開発サービスなどをご提供することで、組込みシステムのソフトウェア開発を包括的にサポートしていきます。」



■補足資料

eT-Kernel Platformについて

eT-Kernelプラットフォームは、イーソルのコア技術を注入したリアルタイムOSをベースとするソフトウェアプラットフォームです。eT-Kernelプラットフォームにより、ソフトウェア共通化によるコスト削減および開発期間短縮と、システムの信頼性確保を支援します。マルチコアプロセッサもサポートするT-Kernel拡張版「eT-Kernel」とμITRON4.0仕様準拠「PrKERNELv4」を中心に、開発ツール「eBinder」、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスで構成されています。動作検証があらかじめ済んでいるので、チューニングやカスタマイズなどの必要なく、すぐに動作します。ソフトウェアだけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eT-Kernelプラットフォームは、カーナビやデジタル家電に加え、航空・宇宙分野、FA機器、OA機器など幅広い分野で多くの採用実績があります。eT-Kernelの3つのプロファイルの1つで、すべてのプロファイルの核となる「eT-Kernel/Compact」は、機能安全規格ISO 26262(自動車)およびIEC 61508(産業機器)ともに最高の安全度水準(ASIL D, SIL 4)の第三者認証を取得しています。

eT-Kernel Platform詳細


イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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