プレスリリース

アルテラ社のARM Cortex-A9 MPCoreマルチコアプロセッサ搭載「アルテラ SoC」を T-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」がサポート


~TRON資産を再利用した効率的なシステム開発と、優れたリアルタイム性と信頼性の確保が容易に~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、イーソルのT-Kernelベースソフトウェアプラットフォーム「eT-Kernel Platform」が、デュアルコアARM® Cortex™-A9 MPCore™プロセッサを搭載したアルテラ社の「アルテラ SoC」をサポートしたことを発表します。μITRONのアーキテクチャと性能を引き継ぎ、POSIX仕様にも準拠したeT-Kernelプラットフォームをアルテラ SoCと組み合わせて利用することにより、μITRON、T-Kernel、Linuxの各資産を再利用した効率的な開発と、高いリアルタイム性と高い信頼性の確保が容易になります。FA・産業機器(産業用ネットワーク、モータ制御)、放送機器(キャプチャカード、ビデオ変換)、民生機器(ディスプレイ)などの分野をターゲットにしています。 

2013年5月8日(水)~10日(金)、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「第16回組込みシステム開発技術展(ESEC)」のイーソルブース(ブースNo.西5-14)にて、アルテラのCyclone V SoC 開発キットでデモ実演を行います。

アルテラ SoCは、デュアルコアARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサ、広範なペリフェラル群、およびメモリ・インタフェースで構成されるARM®ベースのハード・プロセッサ・システム(HPS)を、広帯域幅インタコネクタ・バックボーンによってFPGAファブリックと統合した製品です。ARMプロセッサとFPGAを統合することにより、システム消費電力やコスト、ボード・スペースを削減しながら、性能の向上とプログラム・ロジックの柔軟性が実現されています。HPSに実装されたペリフェラル群により、FPGAへの実装が不要になり、より多くのFPGAリソースをアプリケーション固有のカスタム・ロジックに利用できます。アルテラ SoC 製品は、Cyclone V SoC およびArria V SoCファミリのラインアップで構成されています。

eT-Kernelプラットフォームは、アルテラ SoCに統合されたARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサをサポートするマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を中心に、開発ツール「eBinder」、ファイルシステム、ネットワークプロトコルスタック、USBホスト/デバイススタック、グラフィックスを含む各種ミドルウェアと周辺ドライバ、およびプロフェッショナルサービスが統合されたソフトウェアプラットフォームです(注)。イーソル独自の「ブレンドスケジューリング」技術を実装したeT-Kernel Multi-Core Editionにより、ARM Cortex-A9 MPCoreプロセッサ上で、対称型マルチプロセッシング(SMP)と非対称型マルチプロセッシング(AMP)を混在した柔軟なシステム設計ができます。また、eT-Kernelは、Linuxとの高い互換性を持つPOSIX仕様準拠リアルタイムOSを含む、3つのスケーラブルなプロファイルで構成されているため、アプリケーションの規模と機能に合わせた最適なものを選択できます。eT-Kernel Multi-Core Edition と緊密に統合された eBinder は、マルチコア向けソフトウェア開発で重要なマルチプログラミングと、複雑なマルチコアシステムのデバッグや解析を強力にサポートする様々なツールを提供します。eBinderの利用により、高品質なマルチコア向けソフトウェアを効率的に開発できます。

注)実際のリリース時にはパッケージ内容が変更する可能性があります。また、国内外でパッケージ内容が異なる場合があります。

日本アルテラ株式会社 マーケティング部 部長 堀内 伸郎 様のコメント 
「イーソルは、様々な分野で採用実績と高い技術力を持つ、アルテラの重要なリアルタイムOSのパートナーです。eT-Kernelプラットフォームがアルテラ SoCをサポートすることにより、多くのITRONユーザを含むすべてのアルテラ SoCユーザに対し、短期間かつ低コストで高品質なソフトウェア開発環境が提供されることを歓迎します。 」


イーソル株式会社 執行役員 エンベデッドプロダクツ事業部長 上倉 洋明 のコメント 
「eT-Kernelプラットフォームは、カーナビ、FA・産業機器、航空宇宙システム、コンシューマ機器など、様々な分野で多くの実績があります。アルテラ SoCとeT-Kernelプラットフォームを利用することで、採用実績が実証する高いリアルタイム性と信頼性を、システムに取り入れることができるようになります。イーソルは、アルテラとの協業のもと、アルテラ SoCユーザのソフトウェア開発の品質の確保と効率化を促進していきます。 」 


■ 補足資料

eT-Kernel Multi-Core Editionについて

eT-Kernel Multi-Core Editionは、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのSMP型リアルタイムOSです。独自の「ブレンドスケジューリング」技術により、ひとつのシステム内で、SMP型/AMP型が混ざった複数個のプログラムを混在させることができます。これにより開発者は、シングルコアプロセッサ利用時の資産やノウハウのそのまま再利用しながら、マルチコアプロセッサの性能を最大限に生かしたプログラムを開発することができます。「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高いスループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確実な保証やソフトウェア資産の再利用性といったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。オプションの「eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioning」は、マルチコアシステムの信頼性確保のためのシステム保護機能です。信頼性のレベルが異なる複数のシステムをひとつのマルチコアプロセッサに統合する際などに、それぞれをパーティションとして分離することで、予期せぬ挙動などによる相互のメモリ破壊やカーネルのメモリ破壊を防止し、マルチコアシステムの信頼性を確保できます。

eT-Kernel Multi-Core Edition詳細

eBinderについて

eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

eBinder詳細

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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