2008年10月9日
報道関係者各位
イーソル株式会社

エプソンがカラリオ™ シリーズの最上位機種にイーソルのマルチコアプロセッサ対応リアルタイムOSを採用


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)のプリンタ「カラリオ」シリーズのマルチフォトカラリオ3機種に、マルチコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eT-Kernel Multi-Core Edition」を中心とするイーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」が採用されたことを発表します。これらは、eCROSの開発環境である「eBinder」を使って開発されました。

イーソル独自の「ブレンドスケジューリング機能」により、SMP(Symmetric Multi Processing)型とAMP(Asymmetric Multi Processing)型のプログラムを一つのシステム内に混在させることができるeT-Kernel Multi-Core Editionは、カラリオがもつたくさんの高機能を支える、タスク管理やシステム管理などの基本機能を提供しています。さらにeBinderは、マルチコアプロセッサを使う際に重要な、正確なマルチプログラミングを強力にサポートするマルチプログラミングツールや、複数のコア上で動いている複雑なシステムの動きを的確に捉えるためのシステム解析ツールを提供し、より短期間で高品質なシステムの開発に寄与しました。

このたびeCROSが採用されたのは、10月8日発売のマルチフォトカラリオのプレミアムFAX搭載モデル「EP-901F」、プレミアムモデル「EP-901A」、”おすすめ”モデル「EP-801A」の3機種です。これらの商品は、「調和」を商品コンセプトとしており、写真の高画質や高速印刷、環境性能を実現するための先端技術に加えて、生活空間に溶け込むスタイリッシュなデザインと、すべての人がプリントを楽しめるための使いやすさが追求されています。マルチフォトカラリオは、プリントやスキャナ、コピーといった基本機能に加え、メモリカードや赤外線通信などのワイヤレス通信、PictBridgeなどを利用したパソコンなしの直接プリント機能が搭載されています。「EP-901F」には、カラーファクス機能が搭載されています。さらに、画像処理技術「オートフォトファイン!EX」、色あせを防止する「つよインクR」、純正写真用紙の3つのエプソン独自テクノロジーからなる「Epson Color」に対応しているため、プリンタまかせで写真が美しく仕上がります。

eCROSは、T-KernelまたはITRONから選択できるリアルタイムOS、開発ツール、各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスの4つの要素から構成される、統合化されたソフトウェアプラットフォームです。システムのニーズにあわせて、リアルタイムOSを中心に必要なソフトウェアやサービスを取捨選択し、システムに最適なオリジナルのソフトウェアプラットフォームを構築できます。インテグレーションや動作検証があらかじめ済んでいるため、アプリケーション開発に集中することができます。さらにポーティングやカスタマイズ、受託開発を含むプロフェッショナルサービスを利用すれば、ソフトウェアプラットフォームの構築やチューニングに手を煩わせる必要はありません。eCROSは、デジタル家電や車載機器をはじめとする様々な分野、様々な機種で採用実績を持ち、その信頼性、性能や機能に定評があります。

▽セイコーエプソン カラリオ オフィシャルWEBサイト: http://www.epson.jp/products/colorio/index.htm外部Webリンク
▽イーソル製品ユーザ様事例: http://www.esol.co.jp/embedded/successstory.html

プリンタ 「カラリオ」 シリーズ マルチフォトカラリオ3機種
プレミアムFAX搭載モデル「EP-901F」
プレミアムFAX搭載モデル「EP-901F」
プレミアムモデル「EP-901A」 おすすめモデル「EP-801A」
プレミアムモデル「EP-901A」 おすすめモデル「EP-801A」


セイコーエプソン株式会社 情報画像事業本部 情報画像企画設計第一統括部 IJP企画設計部
課長 折井 康哲 様 のコメント

「eT-Kernel Multi-Core Editionでは、マルチコアプロセッサ上でSMPとAMPが混在するシステム構成を取ることができます。この特長のおかげで、シングルコアプロセッサ用のソフトウェア資産を再利用して開発を効率化する一方で、マルチコアプロセッサ本来の特長である処理の速さを生かしたプログラムも搭載することができました。開発環境としてeBinderを選んだことで、従来のシングルコアプロセッサを使う場合と同様の開発手順、サイクルで、複雑になりがちなマルチコアプロセッサ向けの開発を、効率的に行うことができました。」


イーソル株式会社 常務取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント
「エプソン様のカラリオシリーズに、eT-Kernel Multi-Core EditionをはじめとするeCROSを選択していただき、大変光栄です。複合機に搭載されているプリント、スキャン、コピーなどの機能に加え、ネットワーク対応やダイレクトプリント機能、精細なユーザインターフェースなどの多くの高度な機能は、ユーザにとっては便利で嬉しいものですが、開発現場に膨大な開発量や厳しい納期を要求します。イーソルは、eT-Kernel Multi-Core Editionに加え、開発環境 eBinder、各種ミドルウェア、プロフェッショナルサービスが揃ったソフトウェアプラットフォームeCROSで、複合機をはじめとする高機能・高性能なコンシューマ製品、車載機器などの開発者の皆様を強力に支援していきます。」


補足資料

■eT-Kernel Multi-Core Editionについて
eT-Kernel Multi-Core Editionは、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのリアルタイムOSです。独自の「ブレンドスケジューリング」機能により、ひとつのシステム内で、SMP型およびAMP型が混在した複数個のプログラムを共存させられます。「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高スループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確保やソフトウェア資産の再利用の容易さといったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。

「eT-Kernel Multi-Core Edition」詳細


■eBinderについて
eBinderは、T-Kernel/μITRONベースのシステム向けの開発スイートです。リアルタイムOSを使うソフトウェア開発のためにゼロから設計・開発された開発ツール・機能群を使うことで、同期や排他、割り込みなどリアルタイムシステム特有の課題を容易に解決し、開発期間とコストを削減できます。マルチコアプロセッサにも対応しています。SMP、AMPのいずれのソフトウェア構成もサポートしています。正確なマルチプログラミングと複雑なシステムの動きの俯瞰を強力に支援するeBinderの開発ツールを使って、質の高いソフトウェアを開発できます。eBinderには、システムのコンフィギュレーション、ビルド、デバッグから検証までの一連のソフトウェア開発工程カバーする、C/C++コンパイラを含む開発ツール群に加え、ターゲットプラットフォーム向けの各種モジュールが含まれます。

「eBinder」詳細



■イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。イーソルは、「Inside Solution」をブランドスローガンに、ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。



*カラリオ、Colorioはセイコーエプソン株式会社の登録商標または商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは
イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARD、PrMTPは
イーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。