2007年5月10日
報道関係者各位
イーソル株式会社

μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」と開発環境「eBinder」がフリースケールの通信プロセッサPowerQUICC™ Ⅱ Proをサポート

~高性能・高機能なPowerQUICC Ⅱ Proを利用したμITRONベースのネットワーク機器を、低コスト・短期間で開発~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田 勉、以下イーソル)は、 μITRON4.0仕様準拠リアルタイムOS「PrKERNELv4」とμITRONベースシステム開発スイート「eBinder」が、フリースケール・セミコンダクタ社の通信プロセッサPowerQUICC™ Ⅱ Proをサポートしたことを発表します。高機能・高性能なPowerQUICC Ⅱ Proと、PrKERNELv4およびeBinderをあわせて使うことで、安価で高性能なμITRONベースのネットワーク機器を効率的に開発できます。

これらの組み合わせは、PowerQUICC Ⅱ Proベースの新規システム開発時にはもちろんのこと、既存のμITRONベースのシステムを、高性能化・高機能化のニーズに伴ってCPUを変更する場合にも非常に有効です。 μITRONベースのソフトウェア開発・デバッグに特化したeBinderの豊富な開発ツール・機能を使って、既存システムをPowerQUICC Ⅱ Pro上で動作させるための調整をしたり、機能拡張プログラムを新規に開発したりすることが、短期間、低コストで行えます。また、高速TCP/IPプロトコルスタック「PrCONNECT/Pro」をはじめとするイーソルのネットワークミドルウェアをあわせて使うことで、 PowerQUICC Ⅱ Proの持つ機能と性能を最大限に活かしたネットワーク機能を容易に実現できます。産業/オフィス機器から、コンシューマ向けのホームメディアサーバやセットトップボックスなどまで、幅広い分野における通信・ネットワーク機器を効率的に開発できます。

このたびPrKERNELv4とeBinderがサポートしたMPC8349E PowerQUICC Ⅱ Proプロセッサは、 Power Architecture™テクノロジーをベースとする最大周波数667MHzのe300コアを搭載し、さらにDDRメモリコントローラ、2本のギガビット・イーサネットコントローラ、2本のPCI、ハイスピードUSB、複数の暗号アルゴリズムをサポートしたセキュリティ・エンジンなどを内蔵しています。高性能・高機能を実現しながら、コスト性にすぐれたMPC8349E PowerQUICC Ⅱ Proプロセッサは、幅広い分野の通信・ネットワーク機器に最適です。

PrKERNELv4とeBinderは、イーソルのソフトウェアプラットフォーム「eCROS」(イークロス)に統合化されているため、ネットワークプロトコルのほか、ファイルシステム/USB/グラフィックスなどのミドルウェアが揃っています。さらに充実したプロフェッショナルサービスで、個別のニーズにあわせたカスタマイズやポーティング、受託開発、製品サポートなどのサービスを提供します。eCROSを導入することで、PowerQUICC Ⅱ Proをベースとする高品質なネットワーク機器を、より効率的に開発することができます。

なお、5月16日~18日に東京ビッグサイトで開催される第10回組込みシステム開発技術展 ESEC2007の弊社ブース(ブース番号:40-36)にて、本製品のデモを展示します。


イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント

「産業/OA機器からコンシューマ機器までの幅広い分野において、ネットワーク機能のさらなる高機能化、高性能化の要求が高くなってきています。PrKERNELv4とeBinderは、すでにPowerQUICC Ⅱに対応していましたが、今回新たにPowerQUICC Ⅱ Proをサポートしたことより、より高機能・高性能なμITRONベースのネットワークシステムを効率的に開発できる環境が整ったと考えています。」

■補足資料

eBinderについて
eBinderは、T-Kernel、μITRONをコアとするシステム向けの開発スイートです。従来のT-Kernel/μITRONソフトウェア開発に不足していた、優れた開発環境を提供します。リアルタイムOSを使ったシステム開発のためにゼロから設計された開発ツール・機能群を使うことで、リアルタイムシステム特有の問題を容易に解決でき、リアルタイムOSを最大限に活用できます。 eBinderは、C/C++コンパイラを含む各種開発ツール群と、あらゆる組込みソフトウェアのベースとなるターゲットプラットフォームを構成するモジュール群があわせて提供されます。

「eBinder」詳細


PrKERNELv4について
PrKERNELv4は、1999年のリリース以来、携帯電話やデジタルカメラなどのデジタル家電、カーナビゲーションシステム、プリンタからFA機器までの幅広い分野で多くの実績を持つ、代表的なμITRON仕様のリアルタイムOSです。 μITRON4.0スタンダードプロファイルに完全準拠しており、各種組込みシステムに最適なプログラムサイズで、優れたリアルタイム性能を実現します。また、ミューテックス、可変長メモリプール、資源の動的生成などのさまざまな拡張機能やPrKERNELv4独自の拡張機能を実装しています。カーネル共通部分はMISRA-Cに準拠しています。

「PrKERNELv4」詳細


PrCONNECT/Proについて
PrCONNECT/Proは、PrCONNECT/Proは、組込みシステム向けのTCP/IPプロトコルスタックです。 BSDソケット・インターフェースを提供していますので、LinuxをはじめとするUNIX系OSの豊富な資産を容易に活用することができます。また、セキュリティやルーティング向けを含む豊富なプロトコルを用意していますので、マルチメディア機器や携帯情報端末のほか、より高度な本格的なネットワーク機器においても、十分な機能と性能を発揮します。

「PrCONNECT2」詳細


イーソル株式会社と「eCROS」について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
エンベデッドプロダクツ事業部は、組込みシステム開発向けに、「開発環境」、 「リアルタイムOS」、「ミドルウェア」、そして「プロフェッショナルサービス」までを含むソフトウェアプラットフォーム『eCROS』(eSOL Component Real-time OS platform/イークロス)をご提供しています。多くの実績に裏打ちされた高い信頼性を持つeCROSの導入により、「高い品質」と「開発の効率化」の両立を実現します。ソフトウェア製品のご提供だけでなく、ニーズに合わせたプロフェッショナルサービスをあわせてご提供することで、開発者の皆様がアプリケーション開発に専念できる環境を作ります。eCROSを構成するリアルタイムOSには、システムの規模と用途にあわせた4つのプロファイルを持つT-Kernel拡張版「eT-Kernel」と、組込み分野で多くの実績があるμITRON4.0仕様に準拠したリアルタイムOS「PrKERNELv4」を揃えています。開発環境としては、T-Kernel/μITRONベースシステム開発スイート「eBinder」を用意しています。またミドルウェアには、ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの幅広いラインアップを揃えています。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。

*PowerQUICCは、フリースケール・セミコンダクタ社の商標です。
*Power Architectureは、IBM Corporationの商標です。
*eBinder、eParts、PrKERNEL、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT、PictDirectは、イーソル株式会社の登録商標です。
*eCROS、eT-Kernel、PrHTTPD、PrMAIL、PrSNMP、PrUSB、PrPCCARDは、イーソル株式会社の商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。