2004 年 6月 29日
報道関係者各位
イーソル株式会社

BinderRを使い、大日本印刷、ディー・ティー・サーキットテクノロジーが『T4 MPEG-4モジュール』を開発

~同梱されるソフトウェアにPrKERNELv4R、PrFILER、PrCONNECTR2、PrHTTPDTMを搭載~
~ファイルシステム管理、インターネット接続、ウェブブラウザを使った遠隔地からの制御などを可能に~
 

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)の
μITRON/T-Kernelベースシステム向け開発スイート『eBinder(イーバインダー)』を使い、大日本印刷株式会社(本社:東京都新宿区、社長:北島義俊、資本金:1,144億円、以下DNP)とディー・ティー・サーキットテクノロジー株式会社(本社:東京都府中市、社長:高瀬猛、資本金:8億6千2百万円、出資比率:DNP 86%、東芝 14%、以下DTCT)は共同で新製品『T4 MPEG-4モジュール』を開発しました。『MPEG-4モジュール』に標準で搭載されているソフトウェアには、イーソルのμITRON4.0仕様RTOS『PrKERNELv4』、FATファイルシステム『PrFILE』、高速TCP/IPプロトコルスタック『PrCONNECT2』、ウェブサーバ『PrHTTPD』が組み込まれており、ファイルシステムの管理、インターネットやLANへの接続、ウェブサーバ機能を使ったウェブブラウザを介した遠隔地からのモジュール制御などを可能にしています。

『T4 MPEG-4モジュール』は、東芝製MPEG-4動画圧縮・伸張(コーデック)LSI「T4(TC35280XBG)」をコアとし、MPUや各種メモリなどを実装したモジュールです。第3世代携帯電話との動画像・音声のデータ通信をはじめ、遠隔での監視・医療・教育・映像配信、無人観測システムなど、幅広いアプリケーションでの使用が見込まれており、2004年7月の販売開始予定です。このモジュールには、動画像の伝送や記録再生に必要な、様々な付加価値機能をもつソフトウェアがあらかじめ搭載されています。DNPとDTCTは、『eBinder』を使い、このソフトウェアの開発および動作検証を行いました。また、このソフトウェアには、『PrKERNELv4』、『PrFILE』、『PrCONNECT2』、『PrHTTPD』が組み込まれています。

株式会社東芝、DNPおよびDTCTの3社は、前モデル『TV電話版MPEG-4モジュール(T3 MPEG-4モジュール)』の開発時にも、eBinder上で開発を行いました。また搭載ソフトウェアには『PrKERNELv4』、『PrFILE』が組み込まれています。次世代携帯通信におけるマルチメディア通信の標準プロトコルである3GPP 3G-324Mテレビ電話機能を搭載した世界最小のモジュールです。

『T4 MPEG-4モジュール』は、動画像と音声のMPEG-4方式での圧縮・伸張を、リアルタイムで行える基本機能に加え、様々な機能やインターフェースが実装されています。インターネットやLANに接続する為の周辺インターフェースと、SDメモリカードに動画像や音声をストレージする為のインターフェースが用意されているほか、ハードウェアだけではなく、動画像の伝送や記録再生に必要なソフトウェアをあらかじめ搭載しています。これにより、システム開発期間とコストの削減を可能にします。また、動画像のリアルタイムストリーミングを行うためのネットワーク通信用のプロトコルの一つであるRTP(Real-time Transport Protocol)を使った動画像のリアルタイムストリーミングと、SDメモリカードへのストレージを同時に行うことが出来ます。さらに、HTTPサーバ機能により、パソコンなどのウェブブラウザからモジュールの制御が可能で、リアルタイムで映像を見ながら送信元で録画を行ったり、録画されたデータを閲覧・転送することができます。

▼ 『T4 MPEG-4モジュール』詳細:http://www.dtct.co.jp/MPEG4/MPEG4.htm
▼ 『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/
▼ 『eParts』(PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT2、PrHTTPD)
  詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/eparts.html

大日本印刷株式会社
電子デバイス事業部システムモジュールPj 北村GL 様のコメント

「イーソルの製品サポートサービスは、迅速で木目細やかな対応で、困ったときに非常に頼りになりました。製品提供、サポートサービスなどの総合的なイーソルのサービスにより、結果的に開発期間の短縮とコストの削減が実現できた、と考えています。」

ディー・ティー・サーキットテクノロジー株式会社
モジュール開発室 増田リーダー様 のコメント

「ePartsをベースにした『T4 MPEG-4モジュール』は、高いリアルタイム性と品質を実現する事ができました。このリアルタイム性は、本モジュールを使用するアプリケーションシステムに取って、非常に重要です。この実現には、eBinderが持つリアルタイムデバッグ機能、システム解析ツールが大きな効果を発揮しました。また、eBinderのソフトウェア部品支援機能によって、素早いシステムの立ち上げ、ePartsを利用したライブラリの設計、実装検証を短期間で行うことが出来ました。このeBinderとePartsの組合せは、『T4 MPEG-4モジュール』を利用したアプリケーションシステム開発にも効果を発揮すると考えます。」

イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸 のコメント

「弊社は、リアルタイムOS/ミドルウェア製品群の『eParts』、開発環境の『eBinder』、テクニカルサービスの3つの分野から、組み込みシステム開発を支援しています。弊社の製品、サービスを利用して頂くことによって、大日本印刷様、ディー・ティー・サーキットテクノロジー様の『MPEG-4モジュール』開発のご支援が出来たことを大変嬉しく思っております。約30年に渡る組込みの技術・知識・ノウハウを元にイーソルが開発した製品のみならず、特に、メーカーならではの、製品を熟知したエンジニアによる迅速で的確な製品サポート、開発エンジニアのニーズに柔軟にお応えするカスタマイズなどのテクニカルサービスは、大規模化・高機能化を辿る組み込み開発の現場のエンジニアの方々より、大変ご好評頂いております。今後も製品ラインアップの拡充、サービスの質の向上などを一層図り、開発エンジニアの重要なパートナーとして、組み込み開発をバックアップしていきます。」

■T4 MPEG-4モジュール ■T4 MPEG-4モジュール搭載フトウェア構成図

■補足資料

(1)『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。 RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。

『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

(2)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、
ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。

*eBinder、PrKERNEL、PrFILE、PrCONNECT、PictDirect、PrUSBはイーソル株式会社の登録商標です。
*TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
*ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
*μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
*TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、
特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。