プレスリリース

Tuxeraとイーソル、車載システム分野におけるデータストレージ技術で業務提携

~ 高速かつ高い耐障害性を持つデータストレージ技術をリアルタイムOSプラットフォームに統合 ~

報道関係者各位 
Tuxera. Inc
イーソル株式会社

 ファイルシステム開発におけるグローバルリーダーであるTuxera, Inc.(本社:フィンランド、CEO:Tuukka Ahoniemi、以下Tuxera)と、組込みソフトウェアソリューション開発をリードするイーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、車載システム分野において高速かつ高い耐障害性を持つデータストレージ技術をイーソルのリアルタイムOSプラットフォームに統合するため業務提携したことをお知らせします。

 本提携により、機能安全に対応したイーソルのリアルタイムOS 「eMCOS®」(エムコス)にデータストレージ技術において世界でトップクラスの実績を有するTuxeraの 「Reliance® ファイルシステムテクノロジ」を統合することで、データ書き換え時において、フラッシュメモリの寿命を長期化しつつ、高速かつ高い耐障害性を持つデータストレージ技術をリアルタイムOSプラットフォームとして実現します。

 これにより、自動車業界におけるセーフティ・クリティカル(高い安全性と信頼性)に対する厳しい要件を満たした信頼性の高いプラットフォームを提供し、進化を続けるモビリティおよびコネクテッド社会の安心安全の実現に貢献していきます。

【提携における背景】
 昨今、IoTが急速に普及し、特に人の安全に関わるコネクテッドカーや自動運転の領域では、大量のデータをリアルタイムかつ安全に処理する必要性が増しています。一方で、従来のエッジストレージの記憶容量やフラッシュストレージの寿命や信頼性には限界があり、自動車業界における複雑かつ厳しいデータの取り扱い要件を満たすことが難しくなってきています。こうした状況下で、大容量かつデータを高速処理ができ、フェールセーフな(安定稼働する)ストレージの導入が急務となり、イーソルは「eMCOS」に搭載できる高品質なファイルシステムの導入を検討していました。

【詳細】
 Tuxeraの提供する「Reliance® ファイルシステムテクノロジ」は、予期せぬ電源断やシステムクラッシュに対してデータの安定性を担保する優位性を持っています。さらに大容量かつ高速処理が可能であることから、「eMCOS」の求める高い機能性と一致していたため、採用に至りました。

 さらに「eMCOS」に「Reliance® ファイルシステムテクノロジ」を統合することで、イーソルは「eMCOS」のコア技術の開発および機能安全の向上に、Tuxeraはストレージに用いるファイルシステムに専念できます。これにより、今後さらに厳しくなる自動車向けソリューションの要件を満たし、製品開発を加速できると考え、業務提携する決定をしました。本製品はすでに国内自動車メーカーへの導入が予定されています。

Tuxera最高経営責任者(CEO) Tuukka Ahoniemi(トゥーカ・アホニエミ) のコメント

「Tuxeraは2020年に日本法人を設立し、国内の自動車メーカーに対して、機能安全の要件を満たし、かつ高性能でフェールセーフなデータ管理ソリューションを届けることに努めてまいりました。今回、両社の技術を統合することで、セーフティクリティカルなシステム上で大量のセンサーデータを処理できるため、これまで以上に安全性を高めたデータ・ドリブンなアプリケーションを自動車メーカー向けに開発していくことができます。」


Tuxera Japan株式会社 代表取締役 黒子 真佐志 のコメント

「このたびの業務提携により、国内のみならず世界中の自動車メーカーに対して最先端の製品を提供していくことができると確信しています。今後、イーソル社とともに、世界における自動運転やコネクテッドカーの進展に、より一層貢献していくことができることを楽しみにしています。」


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント

「ファイルシステムで優れたテクノロジと世界トップクラスの実績を持つTuxera社と業務提携できたことを大変光栄に思っております。車載システム分野における機能要件は日を追うごとに複雑かつ高度になっており、同時に更に高い安全性と信頼性への要求も高まっております。この業務提携により機能安全に対応したeMCOSが更に高いレベルの安全性と信頼性を実現することが可能だと確信しています。今後もTuxera社とともにグローバルでのモビリティ社会およびコネクテッド社会の安心安全の実現に向けてシステムプラットフォームの側面から貢献していきたいと考えています。」


今後、両社は、「eMCOS」のさらなる機能強化をはかり、イーソルの持つ国内外の自動車顧客に対して最先端のリアルタイムOSプラットフォームを提供していくことを目指します。


Tuxera, Inc.について

Tuxeraは、フィンランドに本社を置き、品質を保証した組み込みファイルシステム、フラッシュ管理、およびネットワークソフトウェアを提供しています。Tuxera社の製品は、IVIなどの自動車関連製品やパソコン、テレビ、ビデオカメラなどの家電製品、ルータ製品など、各分野の有力企業によってグローバルに採用され、高い信頼を得ています。Tuxera社の製品は、既に10億台以上の機器に搭載されています。



イーソル株式会社について

イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーによって安全で優れたコネクテッド社会の実現に貢献することを目指す、組込みシステムとエッジコンピューティング分野のグローバルなリーディングカンパニーです。1975年に創業し、現在東京証券取引所の第一部に上場しています(証券コード:4420)。イーソル独自のマルチカーネルテクノロジー(特許取得)によって開発されたeMCOSリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を中心とした高性能でスケーラブルなソフトウェアプラットフォーム製品と優れたプロフェッショナルサービスは、厳格な品質、安全性、セキュリティ基準が求められる車載システムをはじめ、FA、人工衛星、医療機器およびデジタル家電を含むあらゆる組込みアプリケーションの分野において世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、Autoware、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。
*Autowareは、自動運転のためにROS/ROS 2上に構築されたオープンソースソフトウェアです。




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