Tuxera社による設計

eMCOS Transactional Filesystemは、Tuxera社のReliance Edgeファイルシステムで採用されているDynamic Transaction Point™テクノロジーをベースとしており、特にエッジコンピューティングに対する最新の市場要件やeMCOSリアルタイムOSプラットフォームに向けて最適化されています。このファイルシステムは、意思決定を行える品質レベルのデータを決定論的に取得して保存するよう設計されています。決定論的な動作は、今日の自律システムで求められている機能です。

クリティカルなデータを保護

eMCOS Transactional Filesystemは、コピーオンライト方式のトランザクションファイルシステムであり、ライブデータは決して上書きされません。つまり、システムは電力喪失に対して極めて強力なフェイルセーフになります。真のトランザクションアーキテクチャにより、メタデータとファイルデータの完全な整合性を確保できます。よって、特に電力喪失が起こり得るシステムにおいて、クリティカルなシステムやユーザーデータが破損されるのを保護します。

非常に高いパフォーマンスを実現

このファイルシステムは、他のファイルシステムに比べ、全体的な処理が大幅に高速化しています。Tuxera社の汎用ファイルシステム出入力テストでは、Dynamic Transaction Point™ 技術が、すべての読み込みテストとほぼすべての書き込みテストにおいて、非常に高いパフォーマンスを実現することが示されました。

マウント時間の短縮

データストリームの流れを維持するには、電力喪失やシステムクラッシュの後、システムの迅速なリカバリが必要です。このようないわゆる「ダーティ」な状況でも、ジャーナルのリプレイや他のファイルシステムのチェックに依存する必要はありません。このアプローチにより、意思決定を行える品質レベルのデータの安全性を確保しながら、マウント時間を大幅に短縮することができます。

決定論による制御

最適化済みのトランザクションファイルシステムは、システムの決定論的な性質を維持しつつ、不揮発性ストレージから最高のパフォーマンスを引き出すことができます。大小のパーティションを柔軟に設定できるため、データを安全に保存するために最適なセットアップをシステムに対して作成できます。

テクニカルデータ
トランザクション設計	ライブデータが決して上書きされない。一旦データが書き込まれると、常に確定状態になる。
リカバリ時間の短縮	不測のシャットダウン/電力喪失が発生した後、すばやく安定的にマウント
対応するブロックデバイスドライバ	eMMC SD/MMC
アトミックな書き込み	メタデータは決して誤ったユーザーデータを指定しない
eMCOS への適応性	POSIX拡張サポート 包括的な仮想ファイルシステム（VFS）インターフェイス UNIX形式のアクセス権限 シンボリックリンクに対応 非常に柔軟なブロックサイズ

関連資料

関連動画

リアルタイムOSベースのハイパーバイザで実現するシステム統合 ～組込みシステムへのハイパーバイザ導入の勘所～ 2021年に配信したウェビナーをオンデマンド公開しています。 第一部では、仮想化技術の概要と組込みシステムにハイパーバイザを導入する際の課題や問題などについて解説します。第二部では、「eMCOS Hypervisor」の仕様をデモを交えて解説します。

自動車、産業機器、医療機器など様々な組込みシステムに対応するイーソルのリアルタイムOS 2020年11月に配信したウェビナーをオンデマンド公開しています。 自動車、産業機器、医療機器など様々な分野で採用され、マイコンから最先端のメニーコアや複雑なコア構成をもつヘテロジニアスマルチコアまで、あらゆるコア構成に柔軟に対応できるイーソルのスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS POSIX」を紹介します。