ファクトリーオートメーションPLC
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製造業がインダストリー4.0や、さらにその先のインダストリー5.0に移行するにつれ、業務上でリアルタイムな意思決定を求められるようになり、より多くの情報をクラウドではなくエッジで処理するようになってきています。イーソルの技術が提供する包括的なリアルタイムハイパーバイザソリューションは、機能安全性やサイバーセキュリティを低下させることが許されないどのアプリケーションにおいても、データをエッジで処理することを可能にします。

トレンド

従来、PLCは小さなマイクロコントローラによって制御されていました。これらはセンサーデータの取得と、シンプルですが安全に関わるアクチュエータ制御を担っていたため、機能安全に関する業界規格を満たす必要がありました。

一方で、PLCの中でもハイエンドデバイスは、産業用コンピュータへと進化してきました。IEC 61131のような旧来のプログラミング規格に加え、今ではC、C++、C#、Visual Basicなどの、より複雑なソフトウェア言語でプログラムが可能になりました。先進のネットワークにおいては、エッジノードと呼ばれる能動的な情報処理装置がPLCの役割を果たしています。これには、OPC UAサーバ機能や、Time-Sensitive Networking(TSN)、EtherCAT、またはCC-Link IEなどの最新の産業用ネットワークプロトコルに準拠したソフトウェアが含まれます。

現在では、数多くの新機能が、ハードウェアではなくソフトウェアを介して提供されています。しかし、PLCがこのような多数の高分解能センサーのほか、アクチュエータやロボットを同時に処理できるのは、CPU性能の大幅な向上があってこそ実現されています。

同時に、人の命、環境、機械を守るための機能安全への要求も高まっています。これらの要求を効率的に満たすため、ハイパーバイザといった新しいソフトウェア戦略が活用されつつあります。
たとえばハイエンドなPLCには、便利なプログラミングディスプレイが搭載されています。しかしながら、HMI機能の場合、開発者は安全コンセプトに含まれていないものの、同じハードウェア上で動作する広範なライブラリを使用します。こうしたHMI機能において、システムの機能が変更されるのはプログラミングモードの時のみで、動作モードの時は変更されません。機能安全に関する要件を満たすには、このHMIソフトウェアが、特別に分離されたメモリ領域で実行されるようにする必要があります。こうしたミックスド・クリティカルな(重要度の異なる)目的に対応するため、いわゆるリアルタイムハイパーバイザが利用できます。

従来のIoTシステムでは、IoTデバイスによって収集されたデータのほとんどがインターネットを介してクラウドに送られてから、クラウド内で集約され、処理されていました(クラウドコンピューティング)。エッジコンピューティングにおいては、「ネットワークの末端」およびユーザーの近くにあるIoTデバイス(エッジデバイス)自体が収集されたデータを処理、管理し、必要なデータのみをクラウド処理に送ります。また、下の図に示すように、エッジコンピューティングでは分散システムアーキテクチャを併用し、データを中央だけで処理するのではなく、ローカルに分散して処理します。

2020年に発表されたMind Commerce社の調査によると、2025年までには、産業用オートメーションに関連するすべてのIoTアプリケーションの70%以上がリアルタイムOSに依存するようになると見込まれています。

このリアルタイムOSの世界では、低遅延通信と決定論的な意思決定が最優先です。以前は大部分が分離されていたリアルタイムOSの世界とクラウドとがつながったことで、今ではネットワークのセキュリティとユーザやデータをサイバー攻撃から守るサービスが追加されています。インターネットへの接続によりエッジデバイスの攻撃対象領域が劇的に増えたためです。

課題


エッジコンピューティングの需要

産業機器に搭載されているさまざまなエッジデバイスは、そのデータ処理と併せて、ますますインテリジェント化が進んでいます。これらのインテリジェントシステムは、従来の組込みシステムに求められるリアルタイムなパフォーマンスと低電力消費に加え、これまでクラウドで行われていた大量のデータ処理をエッジで行うため、低遅延とセキュリティの確保が必須です。

したがって、エッジコンピューティングにはハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)が必要です。かつてクラウドで行われていた高度なデータ処理をネットワークを介しエッジ側で行う必要があり、そのためにエッジには高度でパワフルなハードウェアが必要です。

マルチ・メニーコアハードウェア

ハイパフォーマンスを達成するため、1つのハードウェアには10個から100個ものプロセッサが実装されている場合があります。これらのプロセッサの多くで、演算が同時に実行されます。ハイパフォーマンスと省エネを両立させる最良の方法は、マルチ・メニーコア技術をさまざまなプロセッサアーキテクチャと組み合わせた、ヘテロジニアスなマルチ・メニーコアコンピューティングです。


マルチ・メニーコアソフトウェア

ソフトウェアの視点からヘテロジニアスなコンピューティングを見てみると、シングルコアの時代に設計された従来のシングルマイクロカーネルOSアーキテクチャでは、多用なプロセッサアーキテクチャへの統合的な対応ができず、求められるパフォーマンスが得られません。ヘテロジニアスなマルチ・メニーコアコンピューティングで高効率なHPCを実現するには、先進のマルチカーネルアーキテクチャ(分散型マイクロカーネル)が必要です。このアーキテクチャの場合、OS自体が高い並列性を持ち、ヘテロジニアスコンピューティングに最適化された個別のマイクロカーネルがプロセッサごとに備わっています。

イーソルのソリューション

イーソルのリアルタイムOSであるeMCOS®を使用すれば、リアルタイムなパフォーマンスとセキュリティを確保しながら、高効率で真の並列処理やミックスド・クリティカルアプリケーションの完全分離といったエッジコンピューティングの要件を満たし、インダストリー4.0を安全に実現することができます。


エッジコンピューティングにeMCOSを利用するメリットは次のとおりです。
  • 優れたリアルタイムパフォーマンスとOS自体の高い並列性による高スループット
  • 汎用OSに似たPOSIX準拠のマルチプロセス環境であり、既存の汎用OS(Linux等)のソースコードの再利用が可能
  • ミックスド・クリティカルなシステム内でソースコードを再利用できるリアルタイムハイパーバイザ
  • ROS、Autoware、AUTOSARといったすぐに使えるプラットフォームに対応
  • マルチカーネルアーキテクチャ(分散型マイクロカーネル)による高いスケーラビリティ
  • あるコアのカーネル内の異常を他のコアのカーネルに伝搬しない高い信頼性と機能安全性

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関連資料

新規CTA

関連動画


新規CTA ウェビナー「リアルタイムOSベースのハイパーバイザで実現するシステム統合 ~組込みシステムへのハイパーバイザ導入の勘所~」
2021年に配信したウェビナーをオンデマンド公開しています。
第一部では、仮想化技術の概要と組込みシステムにハイパーバイザを導入する際の課題や問題などについて解説します。第二部では、「eMCOS Hypervisor」の仕様をデモを交えて解説します。

新規CTA 自動車、産業機器、医療機器など様々な組込みシステムに対応するイーソルのリアルタイムOS
2020年11月に配信したウェビナーをオンデマンド公開しています。
自動車、産業機器、医療機器など様々な分野で採用され、マイコンから最先端のメニーコアや複雑なコア構成をもつヘテロジニアスマルチコアまで、あらゆるコア構成に柔軟に対応できるイーソルのスケーラブルリアルタイムOS「eMCOS POSIX」を紹介します。

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