2004 年 3月19日
報道関係者各位
イーソル株式会社

RTOSベースシステム向け開発スイート「eBinderR」がTMS320TMDM320をサポート

~ランタイム側RTOS/SDドライバ含むファイルシステムも合わせてサポート~
~高品質のデジタル・カメラなどのデジタル情報家電が短期間・低コストで開発可能に~
 

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売するRTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」が、テキサス・インスツルメンツ社(以下TI社)製デュアルコア・デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)「TMS320DM320」(以下DM320)を新規にサポートし、リリースしたことを発表します。同時に、システムのランタイム側に必要なμITRON4.0準拠RTOS「PrKERNELv4R」、FATファイルシステム「PrFILER」およびSDドライバも合わせてDM320に対応し、リリースしました。「eBinder」を使い、これらのランタイム側ソフトウェアを組み合わせてDM320向けソフトウェアのプロトタイプ基盤を素早く構築でき、さらに品質の高い上位アプリケーションの開発を短期間・低コストで実現できます。

DM320対応「eBinder」は、RTOSの特性を生かしたリアルタイムデバッグツール、システム解析ツールを含めたマルチプログラミングツール群およびソフトウェア部品構築支援ツールを提供しています。これらを使って開発を行うことで、品質の高い製品をタイムリーに市場投入できます。デバッグポートは、JTAGポートをサポートしており、ハードウェア資源を全てアプリケーションのために使用可能です(その他、シリアル通信でのデバッグも可能)。さらに、下記を標準でバンドルして提供しており、オプションの「PrFILE」、SDドライバと組み合わせて使用することで、すぐに開発に取り掛かることが可能です。

・ TI社製「DM320」評価ボード「XEVM-DM320ZHK」対応BSP
・ C++をサポートしたARM社製純正コンパイラ
・ 「DM320」対応μITRON4.0「PrKERNELv4」

「TMS320DM320」は、デジタル・カメラ、デジタル・カムコーダ、PDA、音楽プレーヤーなどデジタル情報家電に最適化されたTI社の最新のプラットフォームで、180MHzで動作する32ビットRISCマイクロプロセッサ「ARM926EJR-S」と低消費電力DSP「TMS320C54xTM」を搭載しています。特に高画質で且つ安くコンシューマに提供可能なデジタル・カメラ向けに、データを多様にイメージング処理できるよう、様々な工夫がされています。さらに、これらのデジタル家電に必須となってきている、SDカード、コンパクトフラッシュ、メモリースティックTMなどの多種の小型メモリカード対応コントローラが搭載されています。また、PCやプリンタなどとの接続が必要な場合などに使用されるUSB2.0コントローラも搭載されています。

尚、メモリースティック対応ファイルシステム「PrFILE for Memory Stick」およびUSBデバイス側スタック「PrUSBR」のサポートも予定しています。

日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
DCESカンパニービデオ&イメージング事業部イメージング製品部
部長 波多野 誠 様 のコメント

「イーソル社は「TMS320DM270」等TI社製プロセッサで既に豊富なノウハウ・経験があり、「eBinder」と「PrKERNELv4」をはじめとするラインタイムソフトを、いちはやくDM320に対応していただきました。デジタル・カメラをはじめ「TMS320DM320」がターゲットとするデジタル情報家電は、短期間で効率的なアプリケーション開発が求められますが、イーソル社ソフトウェア製品を使用することでこれが早期に実現できます。さらにデジタル情報家電に高性能で多彩な機能を付加できるよう開発された「TMS320DM320」の特色を、最大限に引き出したアプリケーション開発が可能になります。」

イーソル株式会社 
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント

「デジタル情報家電は、今後も非常に伸びていく市場分野であると同時に、各社の競争が激しくなっており、短い期間で、高性能でユニークな機能を搭載した製品を開発することが求められます。イーソルはTI殿と協力し、「PrKERNELv4」をはじめとする各種ランタイムソフト「ePartsR」、品質の高い各社独自のアプリケーション開発を可能にする「eBinder」、さらにイーソルの実績あるカスタマイズやサポートサービスで、DM320をプラットフォームとしたデジタル情報家電の開発を強力にバックアップしていきます。」

■補足資料

(1)『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
▽ 『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

(2)『eParts』について
ePartsは、組込みシステムのためのリアルタイムOSやさまざまなミドルウェア製品など、イーソルが開発・販売・サポートを一貫して行うソフトウェア部品群のブランド名です。μITRON4.0「PrKERNELv4」、TCP/IPプロトコルスタック「PrCONNECT」、組込み用ウェブサーバ「PrHTTPD」、FATファイルシステム「PrFILE」、USB1.1/2.0準拠「PrUSB」、PictBridge向けSDK「PictDirect」などのラインナップがあります。
▽ 『eParts』詳細:http://www.esol.co.jp/embedded/eparts.html

(3)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。

(4)テキサス・インスツルメンツおよび日本テキサス・インスツルメンツについて
テキサス・インスツルメンツ(本社:米国テキサス州ダラス、CEO:トム・エンジバス、略称: TI)は、グローバルな半導体企業であり、デジタル情報家電、ワイヤレス、ブロードバンド市場に向けたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)とアナログICを中核とするトータル・ソリューションを提供しています。そのほか、S&C(センサーズ&コントロールズ)事業、E&PS(教育関連)事業を展開、世界25ヶ国以上に製造・販売拠点を持っています。

日本テキサス・インスツルメンツ(本社:東京都新宿区、社長:K. バラ、略称:日本TI)は、テキサス・インスツルメンツの子会社で日本市場における大手の外資系半導体サプライヤです。資本金は362億5,000万円です。大分県日出、静岡県小山、茨城県美浦に生産工場があり、茨城県つくばと神奈川県厚木にテクノロジー・センターがあります。

TIに関する情報はインターネットでも発信しています。(http://www.tij.co.jp

■ eBinder、eParts、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT2、PrUSB、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
■ TMS320C54x、C54x、TMS320はテキサス・インスツルメンツ社の商標です。
■ ARM926EJ、ARMはアーム社の登録商標です。
■ 「メモリースティック」はソニー株式会社の商標です。
■ TRON は"The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON, ITRON, T-Engine, T-Kernel はコンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品ないしは商品群を指すものではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。