2003年6月26日
報道関係者各位
イーソル株式会社

『eBinderR』と統合化されたμITRONへのRTOS切換えツール『OS ChangerR』をリリース


~pSOS/VxWorksからロイヤリティフリーのμITRONへの移行が容易に~
~μITRONベースのアプリケーション開発を包括的にバックアップ~
 

イーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、MapuSoft Technologies LLC(本社:米国アラバマ州、代表取締役社長兼CEO:Raj Johnson、以下MapuSoft)が開発した『OS Changer』のμITRONへのポーティングを完了し、μITRON対応『OS Changer』を新たにリリースしたことを発表いたします。RTOSベースシステム向け開発スイート『eBinder』と統合化されているため、組み合わせて使うことで、pSOSまたはVxWorks から、ロイヤリティフリーのμITRONへの移行が容易に行えます。豊富な開発ツールとターゲット側プラットフォームを備えた開発環境で効率的にアプリケーション開発を行うことができます。

→ [eBinderの画面イメージ]

『OS Changer』は、ある特定のRTOS用にカスタマイズされたアプリケーションを、別のRTOSに載せかえることを可能にするソリューションです。しかしながら、単なるラッパーではなく独自の抽象化技術でチューニングされているため、優れたパフォーマンスを実現します。今回対応したのは、イーソル製μITRON4.0準拠『PrKERNELv4』です。『eBinder』と、統合化された『OS Changer』オプションを組み合わせて使用することにより、pSOS / VxWorks 上で動作しているアプリケーション資産が、ほとんど修正の必要なく流用できるため、μITRONへの移行にかかる開発期間とコストを大幅に削減することができます。さらに、eBinder上でアプリケーションのチューニング、機能拡張などが効率的にできます。

μITRONは、日本の携帯電話をはじめとした数々の組み込み製品に搭載されており、日本国内では搭載数トップシェアを誇っているRTOSの仕様で、ロイヤリティフリーを特長としています。製品の出荷台数に比例して増加するRTOSのロイヤリティは利益を圧迫する大きな要因ですが、μITRONを選択することで、こういった問題が解決されます。技術的にはコンパクト且つ優れたリアルタイム性を実現します。近年は日本だけでなく、韓国・台湾などアジア方面にも普及が進んでいます。

『eBinder』はRTOSベースのアプリケーション開発に特化した開発ツール群と、自社開発の各種RTOS/ミドルウェア製品群がターゲット側プラットフォームとして合わせて提供されますが、『OS Changer』と組み合わせることで、包括的にμITRONベースのシステム開発をバックアップする体制が整いました。さらに熟練した技術力をもつエンジニアによるサポートも充実しており、ユーザは安心してアプリケーション開発に注力することができます。

【イーソル株式会社
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント】
「ロイヤリティなどの面から、μITRONへの注目度はますます高まっています。イーソルは約30年に渡る組み込み業界での実績から、開発環境、ミドルウェア群、熟練技術者によるサポートといった三方向からμITRONベースのシステム開発を強力にバックアップしていきます。特にOS ChangerとeBinderの組み合わせは、μITRONに移行したいが、これまでの資産も流用したい、といったニーズを持った日本の開発者にベストなソリューションとなることを確信しています。」

【MapuSoft Technologies LLC President & CEO Raj Johnson のコメント】
「OS Changerは、独自仕様のRTOSから標準仕様のRTOSへの載せかえを実現します。アプリケーション開発を最初からやり直す必要はありません。日本の組込み開発者のニーズを満たすため、イーソルとその世界クラスのエンジニアチームと協業していくことが非常に楽しみです。」

■補足資料

(1)OS Changerについて
OS Changerは、開発者が個々のRTOSの違いを気にせずに製品開発に注力することを可能にするツールです。あるRTOSから別のRTOSへのポーティングを容易にし、さらに将来的にポーティングにかかる開発コストも削減します。OS Changerファミリー製品を使うことで、ユーザはどのRTOSを選択しても、既存のプログラムコードの再利用が可能であるため、低い開発コストでいち早く製品を市場に投入できます。OS Changerファミリー製品はそれぞれ、互換APIおよび抽象APIライブラリから構成されており、これらはすべてコードサイズの調整が可能で、既にアプリケーション内で使用することができる形で提供されます。OS ChangerはRTOSより下層のプログラムコードの修正を必要とせず、直接RTOS内部のカーネルオブジェクトにアクセスするため、小さいメモリフットプリントでもっとも優れたパフォーマンスを実現します。

(2)eBinderについて
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。

(3)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、「コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する」、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。

(4)MapuSoft Technologies LLC について
MapuSoft Technologiesは、開発者がある特定のRTOSから、別のRTOSへ即座にかつ簡単にソフトウェアをポーティングするためのロイヤリティフリーのソフトウェアツールと技術サポートを提供しています。
組み込みRTOS市場において専門的な技術を持ち合わせており、私たちが提供するソフトウェアは実用的で使いやすく、かつ経済的です。また、エンジニアリングに関する私たちの深い知識と技術が生み出したソフトウェアは非常に強力であるため、ユーザは最低限の技術メンテナンスしか必要ありません。
MapuSoft Technologies、もしくは取り扱い製品に関する詳しい情報は、e-mail:info@mapusoft.comまでお問い合わせいただくか、Webサイト(www.mapusoft.com)をご覧ください。

■ OSChanger, MapuSoft は、MapuSoft Technologies LLC社の登録商標です。
■ eBinder, PrKERNELv4,PrCONNECT,PrFILEはイーソル株式会社の登録商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。