2002年1月23日
報道関係者各位

イーソル株式会社
アーム社

組込みシステム統合開発環境「eBinder(R)」のSuperH対応版をリリース


~SHをプラットフォームとするマルチメディア機器などのソフトウェア開発コストを軽減~
 

組込みシステムエンジニアリング技術と製品を提供するイーソル株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:澤田勉)は、イーソルが開発・販売する μITRON対応組込みシステム統合開発環境「eBinder」のSH-4対応版をリリースします。リリース日は2月1日を予定しています。

「eBinder」が持つ豊富なデバッグ・テスト機能とソフトウェアの部品化を支援する種々の機能は、 SH-4をコアとするデジタルカメラやデジタルAV機器などのコンシューマ製品をはじめ、 FA機器やOA、通信機器などのアプリケーション開発において、開発期間を大幅に短縮するほか、ソフトウェアの品質と保守性の向上に寄与します。

新製品は、ターゲットボードとして、SH7751が搭載された京都マイクロコンピュータ製「Solution Platform」(KZ-SH4PCI-01)に対応しています。また、コンパイラは、GNUに対応しています。「eBinder」 が対応しているSH7751は、128ビットのグラフィックエンジンと300MIPSの高性能を実現、 CPUにSH-4を採用しさらにFPU、PCIバスコントローラ、キャッシュなどを内蔵したマルチメディア機器向けのRISCマイコンです。

イーソル株式会社 取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山伸幸 のコメント
「FA、OA機器からカーナビ・デジタルカメラ等のコンシューマ製品に幅広く搭載されているSHは、日本のマーケット、特にμITRONのターゲットCPUとして多くのシェアを占めています。 μITRONを使用したアプリケーション開発に抜群の威力を発揮するeBinderがSHに対応することで、組込み開発者の負担の大幅な軽減に貢献できます。」

eBinderについてμITRONは、いまやOSが搭載された全家電製品の80パーセントのシェアを持つ、最もポピュラーなカーネルです。その一方で、現在市販されているμITRONの開発環境は、十分な機能が提供されておらず、トロン協会の調査では、 ITRONの短所として、14.1パーセントの技術者が「開発環境/ツールの不足」を挙げています。(トロン協会、MST2000アンケート結果より)また、μITRONはスケジューリング機能のみを実装したコンパクトなカーネルであるため、必要なソフトウェア部品と組み合わせる必要があります。他社のμITRONやソフトウェア部品の組み合わせは、なかなかスムーズにいかないのが通常です。
eBinderは、これらの課題を解決するμITRON対応組込み開発環境です。ITRONとアプリケーションに必要な最低限のソフトウェア部品を、そのベンダや種類を問わず、自由に組み合わせることができ、コンフィギュレーションからビルド、デバッグ・テストまでの開発工程をサポートします。 eBinderは、ダイナミックローディング機能、マルチコンテキストデバッグ機能などの先進的な機能を備え、カーネルやソフトウェア部品の状態遷移や内部情報をリアルタイムに参照できる高度なシステムデバッグツールを提供します。さらに、ソフトウェア部品とXMLで記述したそれらの情報をまとめて「パーツ」化する手法により、ソフトウェア部品の再利用を促進するほか、開発期間の短縮・品質の向上に貢献します。
eBinderは、他のOSへも対応できるよう設計されており、現在注目されている組込みLinuxなども視野に入れています。