概要
eMCOS POSIXは、POSIX 1003.13 PSE 53に準拠したマルチプロセスプログラミングが可能な、本格的なPOSIX仕様準拠のリアルタイムOSです。スケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」が持つスケーラビリティやリアルタイム性、パフォーマンスなどの特長をそのままに、POSIX仕様のAPIセットをサポートします。これにより組込みシステムに要求される制限をクリアしつつ、ROSやAUTOSAR Adaptive Platformなど、POSIX仕様OS上で動作する様々な既存ライブラリを取り込むことができ、容易にシステムに機能を追加できます。
マルチプロセスPOSIX
eMCOSの革新的な内部構造を持ちつつも、ユーザインタフェースはPOSIXに準拠
eMCOS POSIXは、スケーラブルリアルタイムOS「eMCOS」をベースとして拡張されたOSプロファイルで、プロセスを使用したプログラミングモデルをサポートします。eMCOSネイティブの機能ではサポートされない、pthread、シグナル、プロセス間通信などをプロセスおよびシステムレベルでサポートしています。
POSIX 1003.13 PSE 53に準拠しており、複数のスレッド制御を含むシングルPOSIXプロセス向けのプロファイルであるPSE 51、マルチPOSIXプロセス向けのPSE 53をサポートしています。
POSIX I/Fによる既存フレームワークの活用
アプリケーションI/Fとして移植性の高いPOSIX I/Fを利用できるため、様々な既存ライブラリを取り込むことで容易にシステムに機能を追加できます。
AUTOSAR Adaptive Platform(AUBIST Adaptive Platform)

(※クリックすると拡大画像が表示されます。 )
※AUBIST OS POSIXにはeMCOS POSIXの技術が適用されています。
ROSの例

仮想化機能に対応したeMCOS Hypervisor
eMCOS POSIX上に、リアルタイム性や堅牢性が必要なアプリケーションと、Linux・Androidなど汎用OS上で実行されるリッチな機能を組み合わせたシステムの構築が可能

eMCOS POSIXの高度なスケジューリング機能をそのまま活用可能
eMCOS POSIXに仮想化機能を組み込む形で実現されており、ロードバランシングや時間分離など、eMCOS POSIXの高度なスケジューリング機能の特長をそのまま活かすことが可能です。
空間分離・時間分離された空間でゲストOSを動作
ゲストOSはeMCOS POSIX上のプロセスとして通常のアプリケーションと同様に実行されるため、万一異常動作した場合も他のプロセスとして実行されているアプリケーションに影響を与えることなく安全に実行を継続できます。
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開発環境としてeBinderを用意
eMCOS POSIX上に構築する、プロセス、スレッド、共有ライブラリ、DLLのすべてを、統合開発環境「eBinder」を使って開発・デバッグできます。プロセス単位のデバッグだけでなく、プロセス内の個々のスレッドもデバッグできます。また、デバイスドライバのデバッグも可能です。
関連資料
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