2004 年 3月26日
報道関係者各位
イーソル株式会社

RTOSベースシステム向け開発スイート「eBinderR」と「JTAGjetTM」との連携動作が可能に

~ARMRをコアとしたコンシューマ向けデジタル情報家電開発に最適な開発環境~
~ARM、DSPどちらにも使用できるJTAG-ICEがeBinderと連携動作~
 

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:澤田勉、以下イーソル)は、イーソルが開発・販売するRTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」のオプション製品、「eBinder for ARM JTAGjet Option」をリリースしたことを発表します。本製品を使用することで、Signum Systems Corporation(本社:米国カリフォルニア州ムーアパーク市、代表取締役社長:Jerry Lewandowski、以下シグナム社)が開発・販売するJTAGエミュレータ「JTAGjetTM」と「eBinder」との連携動作が可能になります。ARMコア内蔵のJTAGポートをデバッグポートとして使用し、「eBinder」ホスト側から「eBinder」、「JTAGjet」双方の全ての機能を利用することができます。この組み合わせは、ARMコアを使ったデジタル・カメラ、モバイル型AVビューワ、音楽プレーヤーなど、電池駆動型デジタル情報家電開発に最適な開発環境です。「eBinder」はこれまでに、「PARTNER-JTM」(京都マイクロコンピュータ社製)、「advicePLUSR」(横河ディジタルコンピュータ社製)、「MULTI-ICER」(アーム社製)などを始め、複数のJTAGエミュレータに対応済みでしたが、このたび新たに対応JTAGが増え、ユーザの選択の幅が広がりました。

コンシューマ向けデジタル家電等に搭載されるARMコアをベースとしたASICなどのカスタムチップは、最小限の通信ポートのみを実装し、システムのデバッグ専用に通信ポートを確保できない場合が多くあります。このため、ARMコア内蔵のJTAGポートをデバッグポートとして開発を行いたい、とのニーズが多くありました。「eBinder for ARM JTAGjet Option」を使用することで、JTAGポートに装着した「JTAGjet」が「eBinder」ホストPCとターゲットボード間の通信手段として機能するため、他の通信ポートは全てアプリケーションで利用可能になります。

さらに、RTOSの特性を最大限に活かしたシステム構築が可能なマルチプログラミングツールをはじめとする全ての「eBinder」が提供するツール・機能が利用できるのはもちろんのこと、「eBinder」ホストインタフェースから「JTAGjet」が提供するJTAG ICE機能を利用することも可能です。「eBinder」を利用したタスクベースのアプリケーション開発から、「JTAGjet」の機能を利用した割り込みハンドラなどのハードウェア寄りのソフトウェア開発まで、幅広い層のソフトウェア開発ができるようになります。

「JTAGjet」は、インサーキットエミュレータ(ICE)分野で20年間のノウハウ・実績を持つシグナム社のJTAGエミュレータです。ARMに対応しているほか、TMS320C5x?をはじめとするテキサス・インスツルメンツ社製DSPに対応しているため、TMS320?DSC、TMS320DMシリーズなどARMコアとDSPのデュアル・コア・プロセッサベースの開発時にも、DSP側のデバッガとeBinderを併用し、一台のJTAGで開発が行えます。「JTAGjet」は1Mbyte/secの高速でのプログラムダウンロード、フラッシュメモリ上のデバッグもサポートしています。日本では、株式会社ロイノスがJTAGjetの販売、カスタマーサポート等のサービスを行っています。

Signum Systems Corporation President,Jerry Lewandowskiのコメント
「優れた機能を持つ「eBinder」と「JTAGjet」とを組み合わせて使うことで、シングル/マルチコアデバイスやSoCシステムの、直感的で高速なエミュレーションが可能になります。昨今の複雑化したシステムの開発者は、開発期間の短縮、より柔軟なデバッグ工程全体のコントロール、そしてより信頼性の高い製品の開発、といった恩恵を大いに受けられます。」

イーソル株式会社 
取締役エンベデッドプロダクツ事業部長 上山 伸幸のコメント

「ARMコアベースのデジタル情報家電開発時に、デバッグのための通信ポートとしてJTAGポートを使用したい、RTOS指向の開発ツールを使ってフラッシュメモリ上のコードデバッグが必要、といったケースを多く見てきました。「eBinder」と「JTAGjet」の組み合わせは、こうしたニーズを満たすことが可能な最適な組み合わせです。」

■補足資料

(1)『eBinder』について
eBinderは、RTOSベースのシステム向け開発スイートです。RTOSベース・プラットフォームと開発ツール群が合わせて提供されます。システム構築及び管理に威力を発揮するコンフィギュレーション及びビルド機能、最大8個までのタスクを全システムを停止することなく同時にデバッグできるマルチコンテキストデバッグ機能、カーネルはもちろん、ソフトウェア部品の状態遷移やプログラム実行時の状態を参照できるシステムデバッグツール、そしてターゲットのファイルシステム操作やマルチコンテキストの実行制御、任意の関数実行などのスクリプトをサポートする、強力なシェルを提供しています。また、他のリアルタイムシステム開発ツールと異なり、これらの機能はターゲットシステムを停止させることなく利用できます。特にアプリケーション開発時においては、カーネルやドライバタスクは停止させずに特定のアプリケーションタスク(群)の検証を行う事ができ、対象となるアプリケーションタスクのみに注力できます。これにより、従来アプリケーションタスクをブレークさせると割り込みもドライバも停止してしまい、実システム動作と異なってしまうという問題や、アプリケーションタスクの検証に下層ソフトの知識が要求されると言った問題を解決し、高品質なソフトウェア開発の検証コストを削減します。特に、PackageBuilder(パッケージビルダ)は、MWベンダ、あるいはユーザが自由にソフト部品パッケージを作成・追加できる機能を提供し、ユーザのソフト部品管理のプラットフォームを提供しています。
▽ 『eBinder』詳細:http://www.ebinder.jp/

(2)『JTAGjet』について
JTAGjet USBエミュレータは、最高速度480Mbpsを達成するUSB2.0ハイスピードモードで通信を行うことが可能で、アプリケーションのダウンロード時間を短縮します。JTAGjetは、高速度での操作性を持ち、持ち運びが容易でより多くのソフトウェア開発ツールの選択が可能な、応用範囲の広いハードウェアツールを希望しているデザインチームやソフトウェア開発者を特にターゲットとしています。JTAGjetは、パワーサイクル/リセットサイクル時にターゲットのフルコントロールが可能であることが特長です。また、コアパワーとリセットモニタリング、プログラム可能なJTAGクロックスピード(0~33MHz)、自動化されたテストスクリプト、多くのターゲットプラットフォーム向けCPU初期化マクロを有しているため、開発されたばかりの新しいハードウェアに理想的な開発環境です。日本では株式会社ロイノスが、JTAGjetの販売、カスタマーサポートを行っています。
▽ 『JTAGjet』詳細(日本語、株式会社ロイノスウェブサイト):
http://www.roinos.com/ARM_DSP/index.html

(3)イーソル株式会社について
イーソル株式会社は1975年の創業以来、コンピュータエンジニアリングを通じて社会に貢献する、という理念のもと、組込みソフトウェア業界、及び流通・物流業界で実績を重ねてきました。お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、トータルソリューションを提供します。
取り扱っている組込みソフトウェア製品には、RTOSベースシステム向け開発スイート「eBinder」のほか、μITRON4.0準拠「PrKERNELv4」をはじめ、各種ミドルウェア製品のラインナップがあります。
2004年1月に米国オレゴン州に子会社 eSOL, Inc. を設立し、日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに「eBinder」、「eParts」の販売活動を広げています。

(4)Signum Systems Corporationについて
1979年に設立されたシグナムシステムズは、組み込み市場に向けたソフトウェアおよびハードウェア開発環境のリーディングサプライヤーで、エミュレーションおよびデバッグ製品のフルラインを開発してきました。マイクロコントローラやマイクロプロセッサ、RISCとDSPベースのシステム開発者向けに、シグナムは全機能を搭載したJTAGベースエミュレータ、インサーキットエミュレータ(ICE)、デバッガおよびCコンパイラを提供しています。シグナムのエミュレータとデバッガは世界中で販売されていますが、設計・製造は全て、米国カリフォルニア州ムーアパーク市にある本社で行っています。シグナムの詳細情報はwww.signumsystems.com をご覧ください。

■ eBinder、eParts、PrKERNELv4、PrFILE、PrCONNECT2、PrUSB、PictDirectはイーソル株式会社の登録商標です。
■ JTAGjetはSignum Systems Corporation の商標です。
■ JTAGjet-ARMはSignum Systems Corporation の商標です。
■ JTAGjet-OMAPはSignum Systems Corporation の商標です。
■ JTAGjet-TMSはSignum Systems Corporation の商標です。
■ JTAGjet-CCSはSignum Systems Corporation の商標です。
■ ARM、MULTI-ICEはアーム社の登録商標です。
■ PARTNER-Jは京都マイクロコンピュータ株式会社の商標です。
■ advicePLUSは横河ディジタルコンピュータ株式会社の登録商標です。
■ TMS320C54x、C54x、TMS320はテキサス・インスツルメンツ社の商標です。
■ TRON は "The Real-time Operating system Nucleus" の略称です。
■ ITRON は "Industrial TRON" の略称です。
■ μITRON は "Micro Industrial TRON" の略称です。
■ TRON および ITRON は特定の商品ないしは商品群を指す名称ではありません。
■ 記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。