eT-Kernelは、オープンソースのリアルタイムOSであるT-Kernelを、イーソル独自の技術をもとに拡張した組込みシステム向けのリアルタイムOSです。T-Kernelの利用法を定めた「T-Lincense」にそって開発されているため、開発したソースコードを公開せずに製品化することができます。

eT-Kernelの3つのプロファイルの1つで、すべてのプロファイルの核となる
eT-Kernel Compact」は、以下の機能安全規格の第三者認証を取得しています。
・自動車向け ISO 26262 ASIL D
・産業機器向け IEC 61508 SIL 4

また、イーソルのリアルタイムOS製品の開発プロセスは、医療機器向け安全規格
IEC 62304に準拠していることが認証されています。

eT-Kernel Safety Packageラインアップ
イーソルは、機能安全規格の適合を目指すユーザ向けに、セーフティ・マニュアル、セーフティ・レポートなどのドキュメントをパッケージにした、以下のeT-Kernel Safety Packageを提供します。


オープンソースT-Kernelを拡張

トロンフォーラム配布のT-Kernel2.0、T-Kernel/Standard Extensionのソースコードをもとに、RTOSベンダーとしてのイーソルのノウハウを注入し、拡張しました。eT-Kernelは、オープンソース のT-Kernelと比べて、下記の特長を持っています。

・システム全体の高速起動を可能にする「高速ブート」
・複数のファイルシステムの透過アクセスを可能にする論理ファイルシステム(LFS)
・システム稼動中の問題解析を支援する「例外マネージャ」
・拡張コマンドの追加もできる「ターゲットシェル」、最終システムのメンテナンスや
 検査用にも有用
・POSIX仕様にも準拠、Linuxを含むUNIX資産(ソフト/エンジニアリソース)の流用
 で開発効率向上を支援
・SMPとAMPの混在を可能にする、独自のスケジューリング方式によるマルチコア対応
・マルチコアシステムの品質・信頼性確保を支援する、システム保護機能
・標準テストスイートに加え独自の検証を実施

T-Kernelとの互換性を保持

eT-Kernelは、トロンフォーラムが配布するT-Kernel2.0との上位互換性を保持しています。イーソルは、トロンフォーラムが認定する改変版配布者登録を済ませており、安心してeT-Kernelをお使いいただけます。

3つのプロファイルを用意

システムの規模と用途にあわせて選択できる、小型でリアルタイム性能の高いμITRONに似たモデルから、Linuxと同様にメモリ保護機能とプロセスモデルを持つモデル、POSIX仕様に準拠したモデルまで、3つのプロファイルを用意しています。

eT-Kernel POSIX
 POSIX仕様に準拠したリアルタイムOS
eT-Kernel Extended  メモリ保護機能とプロセスモデルを持った、大規模システム向けのリアルタイムOS
eT-Kernel Compact  μITRONに似た構成を持った、コンパクトでリアルタイム性の高いリアルタイムOS




SMPとAMPの混在を可能にするマルチコア対応

マルチコアに対応したeT-Kernel Multi-Core Editionを用意しています。
eT-Kernel Multi-Core Edition利用時も、上記から最適なプロファイルを選択できます。独自の「ブレンドスケジューリング」技術により、SMP型プログラムとAMP型プログラムを1つのシステムに混在させることができます。さらにシステム保護機能により、複雑なマルチコアシステムの品質・信頼性確保を支援します。 


マルチコアプロセッサ対応eT-Kernel

時間保護技術

メモリ保護技術


3つのプロファイル上でソフトウェア資産の再利用が可能

eT-Kernel POSIX、eT-Kernel Extended、eT-Kernel Compactは、コアとなるカーネルが同じなので、デバイスドライバやミドルウェアなどをカーネルアプリケーションとして、それぞれのプロファイル上で再利用することができます。プロダクトラインを利用して、製品のシリーズによって利用するプロファイルを変えたい場合などに、ソフトウェアを再利用しながら効率的に開発を進めることができます。

3つのプロファイルで共通に使える開発環境、eBinderを用意

T-Kernelベースの組込みソフトウェア開発の開発環境として、eBinderを提供しています。eT-Kernel Compact、eT-Kernel Extended、eT-Kernel POSIXまで、すべてeBinderを使って開発できます。またeT-Kernel Multi-Core Editionもサポートしています。利用するOSやプロファイルを変えるたびに新たな開発ツールの利用方法などを学習する必要なく、効率的に開発を進めることができます。


POSIXファイルシステムAPIをサポートした論理ファイルシステム

POSIXファイルシステムAPIをサポートした論理ファイルシステム (LFS) を提供しています。スレッドセーフなCライブラリとも統合済みです。プロセスからでも、システムプログラムを含むカーネルアプリケーションからでも、どちらからも呼び出すことができます。このPOSIXインタフェースを介して利用できる標準のファイルシステムとして、FATファイルシステムをインテグレートしています。

なおPOSIXに関しては、ファイルシステムAPI以外に、pthreadライブラリをサポートしています。


さまざまな分野での実績

eT-Kernelは、様々な分野で多数の採用実績があります。 また現在開発中の製品にも多数採用されています。



ソースコード提供

eT-Kernelの3つのプロファイルは、それぞれソースコードで提供されます。

充実したドキュメントを提供

ユーザーズガイド、ボードサポートガイド、Getting Startedなど、充実したドキュメントを提供しています。

保守サービス・カスタマイズサービス

eT-Kernelは、下記内容の保守サービスを提供しています。保守サービスを受けることにより、安心してeT-Kernelを使った開発に取り組むことができます。

・メールでの製品に関するお問合せに対する回答
・マイナーバージョンアップ品の提供

また、独自ハードウェアなど、異なる環境にeT-Kernelを対応させるカスタマイズサービスを提供しています。

T-Kernelのフレームワーク

T-Kernelのソフトウェアアーキテクチャは、レイヤ式のスケーラブルなアーキテクチャで、開発するシステムに合わせて柔軟な構成をとることができます。ソフトウェアの再利用を促進するためのさまざまな仕組みを持っています。ここでは、アーキテクチャを構成するそれぞれのプログラムの特長を簡単にご紹介します。



T-Kernel

T-Kernelは、T-Kernel/Operating System (T-Kernel/OS) 、T-Kernel/System Manager (T-Kernel/SM) 、T-Kernel/Debugger Support (T-Kernel/DS) で構成されています。それぞれの機能を以下に表で示します。このなかでT-Kernel/OSは、μITRONなど標準的なリアルタイムOSにあるすべてのタスク管理機能、メモリ管理機能、システム制御機能を備えるT-Kernelの主要なパーツです。T-Kernel/OSのみを指して狭義の
T-Kernelと呼ぶこともあります。

T-Kernel/OS 
(Operating System)
T-Kernel/SM 
(System Manager)
T-Kernel/DS 
(Debugger Support)
- タスク管理機能
- タスク付属同期機能
- タスク例外処理機能
- 同期・通信機能
- メモリプール管理
 機能
- 時間管理機能
- 割り込み管理機能
- システム状態管理
 機能
- サブシステム状態
 管理
- システムメモリ管理
 機能
- アドレス空間管理
 機能
- デバイス管理機能
- 割込み管理機能
- I/Oポートアクセス
 サポート機能
- 省電力機能
- システム構成情報
 管理機能
- メモリキャッシュ
 制御機能
- 物理タイマ機能
- ユーティリティ機能
- サブシステムおよび
 デバイスドライバ
 の起動
- カーネル内部状態
 取得機能
- 実行トレース機能

デバイスドライバ

T-Kernelには、ドライバのインタフェースとドライバを規定したデバイスドライバ仕様も含まれています。ドライバインタフェースの標準化により、ミドルウェアやライブラリを含むアプリケーションなど、ドライバを利用するプログラムを新しいハードウェア環境に移行する場合に、インタフェース部分を変更することなくそのまま再利用することができます。

サブシステム

サブシステムとは、T-Kernelの機能を拡張するために使われる仕組みです。サブシステムは、図で示されるように、T-Kernelの上で動作し、T-Kernel内ではT-Kernel/OSがサブシステムの管理機能を提供しています。T-Kernelと静的にリンクすることも、動的にロードすることもできます。例として、ファイルシステムやTCP/IPプロトコルスタックなどのミドルウェアをサブシステムとして実装することができます。ユーザが作成した独自のライブラリなどもサブシステム化することができます。ミドルウェアやユーザ作成のライブラリをサブシステムとして実装することにより、上位アプリケーションに共通のインタフェースを提供できます。また、レイヤ方式のT-Kernelのアーキテクチャにより、サブシステムはCPUやボードに依存しないため、ハードウェアを変えてもサブシステムは修正の必要なく再コンパイルするだけですぐに動作します。

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