PrCONNECT

静岡大学情報学部 富樫研究室様

ご協力:静岡大学情報学部 富樫研究室さま

esol
当社PrCONNECTをご選択いただき、ありがとうございます。
まず、大学で組込み用TCP/IPスタックをお使いになるというのは珍しいような気がするのですが、そのあたりの経緯からお話いただけますか?

富樫研究室 
そうでもありませんよ。 IEEE (米国電気電子学会) の「民生用電子機器に関する国際会議 (ICCE) 」というのが今年6月にあったのですが、この会議でμVNCという、リモートディスプレイシステムを用いた家電ネットワークモジュールを提案しました。
このモジュールの実験システムは組み込みプロセッサを用い、通信はシリアルポート上のエミュレーションで動かしていたのですが、 学会発表が決定したのを機に、実際にイーサネット上で動かしてみようということになりました。

esol 
当社製品をご選択された理由は?

富樫研究室 
いくつか理由があります。
研究費で契約できる価格であったということ、契約前にマニュアル等を閲覧させていただけたこと、ライセンスの問題がクリアであったこと、BSDソケットインターフェイスをサポートしていたことです。
実は、4社にお話を持ち掛けましたところ、量産ライセンス込みで数百万というところが相場でしたが、開発用ライセンスを20万円前後で提供してくださる会社が2社ありました。
2社の担当の方に訪問の意思を伝え、持ち出せなくてもよいから、契約前に閲覧可能なマニュアル等はすべて貴社にて閲覧したいと申し上げたところ、これに的確に応対いただけたのがイーソルさんだけだったのです。

esol 
もう1社は契約まで資料は出せない、ということでしたか?

富樫研究室 
いえ、そういう訳ではありません。
応対していただいた渉外セクションの方は資料をご用意くださっていたのですが、それは簡単な概要説明書で、私が閲覧を希望したマニュアル類 (ドライバインタフェース、アプリケーションインターフェース、移植手順書等) というのとは少し違っていたのです。
そういったマニュアルを契約前にお出しできるかどうかは営業判断になるとのことでしたが、営業セクションの担当者はまだ決まっていないとのことでした。
実は、最も気になっていた点は、購入したとして大学人が期限内に使いこなせるかどうかということでした。訪問した会社とは別になりますが、他社製品の例では数ヶ月単位の移植期間を要していたので、依存部のコーディングがどの程度のものなのかはぜひとも知っておきたいところだったのです。

esol 
「ライセンスの問題がクリアであった」とは?

富樫研究室 
たいてい、開発用ライセンスは1製品につき1契約という形態になっていますよね。
企業において、製品企画が決まってから製作するような場合には問題にはならないでしょうが、研究段階では、あるモジュールを今年作り、別モジュールを来年作って順次学会発表し、再来年で結合するといったことがありえます。
イーソルさんの場合、学術ライセンスの契約期間内、契約対象者であれば、どんな製品をいくつ試作してもよいということで、大学にとっては非常にありがたい条件でした。もう1社は、同一製品かどうかは営業判断になるので、その都度営業に問い合わせて欲しいというご回答でした。各モジュールがいちいち別製品とみなされる可能性があると、自由に試作品を作りにくくなります。

esol 
1ヶ月弱で移植を完了されたとのことですが、実際の移植の経緯についてお伺いしたいのですが?

富樫研究室 
1ヶ月、と申しますか、私どものアクションが遅かったこともあって、小包を受け取ったのが学会のちょうど1ヶ月前でしたので、上位アプリケーションの書き換えも考えると、20日で終わらせるよりほかありませんでした (笑) 。
土日出勤、12時間労働での20日間なので、20日という数字だけがひとり歩きしては困るのですが、手元の記録では、5月17日に小包を受け取り、21日にコンパイルエラーをすべて除去とあります。
次の週はデバイスドライバ作成に費やされています。イーサネット接続がPCカード経由だったこともあって、PCカードコントローラ制御部やCISタプル解析部、カード割り込み処理部といった部分は新しく起こさなければなりませんでした。
もっとも、カードの中身がDP83902であったことからPrCONNECT付属のサンプルソースが参考になりましたので、後半は楽でした。最後の1週間は動作チェックに費やされていますが、これは私のせいじゃないです、なんて。

esol 
その節では混乱させてしまったようで済みません。
新しいPrCONNECTと古い動作チェックプログラムで出荷してしまったのですよね。

富樫研究室 
そうですそうです。今は直っているんですよね。

esol 
直っています。もう少し全般的に見ていただいて (笑) 、PrCONNECTは移植性に優れた製品であったとお感じになりましたか?

富樫研究室 
私は公僕なので (笑) 特定の製品の肩を持つのは難しいですが、PrCONNECTが1人月で充分移植可能であったということは事実としてコメントできます。
学術ライセンスの特約として短期無料サポートもつけていただきましたが、1度もサポートに問い合わせることなく移植を完了できました。
このことから直ちに移植性に優れた製品であるといえるかどうかは主観になりますし、他社製品と比較したことがないので私はコメントできません。他社製品なら、もしかしたら10日で移植を完了できるのかもしれませんし。

esol 
まさか (笑) 。PrCONNECTに関する不満はありますか?

富樫研究室 
ありますあります (笑) 。
イーソルさんはμITRON準拠のリアルタイムOSを出していらっしゃいますよね。それに依存した機能や、μITRON規格では拡張機能とされているOSコールを使っているところが何ヶ所かありました。
このあたりは標準機能だけを使って記述されているコードと、拡張機能を活用して記述されているコードをコンパイル時に選べるようになっているとより移植性が高まると思います。

esol 
最後になりますが、いま組込み用プロトコルスタックを探している方々にとって、PrCONNECTはおすすめですか?

富樫研究室 
おすすめかどうかというのは、他社製品と比べて優位かどうかどうかということにつきると思いますが、これは全社契約して比較できるほどお金持ちではないのでなんとも (笑) 。かわりに、どんな方々におすすめか、ということをコメントするにとどめたいと思います。
自由にいろいろ試作してみたい、という大学や研究所関係の方には、金額面、ライセンス面ともに非常に納得のいく条件だと思いますし、不安ならマニュアル類も事前に閲覧させてもらえます。
私たちは普段からUNIX上のソケットインターフェイスに慣れていて、そこでプロトタイピングをしたりもしますので、BSDソケットAPIのサポートも強い見方です。大学と違って、試作の容易さよりも商品の高速性が要求される企業の製品などではソケットAPIは使わないでしょうから、もちろん他社製品という選択肢もあるとは思います。
もっとも、PrCONNECTではITRON TCP/IPの省コピーAPIもサポートされていますので、試作品の動作確認のあと じっくりチューニングという戦略をとるのにも好都合じゃないでしょうか。

esol 
本日は色々とありがとうございました。

富樫研究室 
今後ともよろしくお願いいたします。


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