2013年11月19日


~2014年第1四半期リリース予定の評価キットにより、TILE-GxとeSOL eMCOSの評価が容易に ~

報道関係者各位 
イーソル株式会社

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川勝敏、以下イーソル)とTilera Corporation(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、President&CEO:Devesh Garg、以下Tilera)は、商用では世界初となるイーソルの組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」(イーソルエムコス)が、Tileraのメニーコアプロセッサファミリ「TILE-Gx」をサポートしたことを発表します。イーソルは、TILE-Gxに対応したeMCOSに加え、ソフトウェア開発用プラグインツールと各種ミドルウェアをパッケージ化した評価キットを、2014年第1四半期にリリースする予定です。この評価キットにより、TILE-GxメニーコアプロセッサおよびeMCOSの評価が容易になります。eMCOSとTILE-Gxの組み合わせは、放送機器や工場用ロボット、半導体製造装置、医療機器といった高度な画像処理を行うビデオ機器、クラウドサービスを提供するネットワーク機器などの、高い演算性能が必要な組込みシステムに最適です。

マルチコアプロセッサの採用が一般化した組込みシステムでは、さらに加速する高性能化、高機能化に対応するため、高い電力効率と、コア数を増減しスケーラブルに性能を調節できるメニーコアプロセッサの研究・開発が活発に行われています。そのなかでTileraのマルチコアプロセッサは、すでにネットワーク機器などで多数の採用実績があります。今回eMCOSがサポートしたTILE-Gxは、電力ワット数およびプロセッサ面積あたりの性能が業界最高クラスの高効率を誇り、System-on-a-chip(SoC)としてメモリやI/Oを含む様々な周辺デバイスが実装されたメニーコアプロセッサです。TILE-Gx製品ファミリには、高速なi.Mesh™オンチップネットワークで相互に接続された、9、16、36、72コアのラインアップがあります。eMCOSは、今回36コアが搭載された「TILE-Gx8036™」をサポートしました。

eMCOSは、従来のシングルコアおよびマルチコアプロセッサ向けリアルタイムOSとまったく異なる、分散型マイクロカーネルアーキテクチャを採用しています。マイクロカーネルはコア毎に配置され、コア間通信を含むメッセージング、コアローカルスケジューリング、スレッド管理などの基本サービスをそれぞれが提供します。ファイルサービスやネットワークなどのより高度なOSサービスは、マイクロカーネルとは独立したサーバスレッドとして複数のコアに分散して配置されます。これにより、OSが複数コアで共有するデータを少なくすることができ、遅い共有メモリに対するアクセスや、それによるキャッシュコヒーレンシ機構への負荷を下げ、増えるコアに対してスケーラブルなシステム性能を提供することができます。さらに、特許出願中のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特願2012-247172)により、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性の両立を実現できます。eMCOSのアプリケーションプログラミングモデルは「eT-Kernel Multi-Core Edition」などのマルチコアOSと同様に、CPUコアを意識する必要はありません。APIは通常のC言語関数インターフェースであり、メッセージングなどの仕組みはそのインターフェース内部で動作するため、従来と同様の形でのソフトウェア開発が可能です。

eMCOS上のアプリケーション開発には、Tileraが提供するEclipseベースの統合開発環境に加え、それにプラグインして利用するイーソルの「eSOL eMCOS IDE Plug-in」を利用できます。eMCOS IDE Plug-inには、eMCOSに特化した各種システム解析ツールやユーティリティが含まれています。評価キットには、eMCOSおよびIDE Plug-inに加え、ネットワークプロトコル、ファイルシステム、USBスタックを含むミドルウェアが含まれます。eMCOSはT-KernelとPOSIXのAPIをサポートしているので、μITRON、T-KernelおよびLinuxのソフトウェア資産を使った評価が可能です。さらに、ドライバやアプリケーション移植などの受託開発、コンサルテーションなどのプロフェッショナルサービスもあわせて、イーソルが提供します。

イーソルは、eMCOSの研究開発に加え、産学連携や業界団体を通じた活動も活発に行い、メニーコア技術の推進に注力しています。現在、早稲田大学と、「早稲田OSCAR並列化コンパイラ」(OSCARコンパイラ)を用いたマルチコア/プロセッサ向けプログラム並列化支援サービスに向け、早稲田大学と共同研究を進めています。さらに米国Multicore AssociationのSoftware-Hardware Interface for Multi-many-core(SHIM)ワーキンググループのチェアを務めています。

「Embedded Technology 2013 組込み総合技術展(ET2013)」(会期:2013年11月20日(水)~22日(金)、会場:パシフィコ横浜(神奈川県横浜市))のイーソルブース(ブース番号:D-44)にて、TILE-Gx上で動作するeMCOSのデモ実演を行います。関連して、2013年11月22日(金)、米国Multicore Associationをはじめとする五社/団体が講演するマルチ・メニーコアセミナー「ハイパフォーマンスを身近に!最新マルチ・メニーコア技術」をET2013併催で開催します(参加無料)。

Tilera Corporation Software Product Line Manager  Fahd Abidi のコメント 
「イーソルは、組込みシステム向けメニーコア技術の発展を牽引する、私たちの重要なパートナーです。組込みシステムに特化したeMCOSによるTILE-Gxのサポートと、その評価キットのリリースにより、双方のお客様が開発する製品の市場投入までの期間短縮を加速します。画像認識やコンピュータビジョンシステムなどのビデオを扱う機器や、ネットワーク機器、クラウド機器などでの利用を期待しています。」

イーソル株式会社 執行役員 ソフトウェア技術統括責任者 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント
「Tileraは、市場に出回る製品ですでに採用実績が豊富にある、メニーコアプロセッサの先進企業です。市販されているTILE-Gx8036をeMCOSがサポートしたことにより、組込み用途でのメニーコアプロセッサおよびそのOSの評価が容易にできるようになります。電力とコスト制約が厳しい組込みシステムで更なる性能向上を図るためには、メニーコア技術は効率的で要望な選択肢だと考えています。今回のTilera社との協業が、メニーコアの普及の一歩になることを期待しています。」


■補足資料

About Tilera

Tilera® Corporation is the developer of the highest performance, low power general purpose manycore processors. Tilera is headquartered in San Jose, Calif., with additional locations worldwide. For more information, visit www.tilera.com or follow us on Twitter @Tilera.

イーソル株式会社について

イーソル株式会社は「Inside Solution」をブランドスローガンに、1975年の創業以来、組込みソフトウェア業界、および流通・物流業界で実績を重ねて参りました。ユビキタス社会を内側から支える技術者集団として、お客様の満足を第一に、開発、販売からサポートまで一貫したサービス、そしてトータルソリューションを提供しております。弊社は創業直後より30年以上にわたって、高信頼かつ高性能の組込みOS・開発環境・各種ミドルウェアを自社開発、販売し、デジタルカメラなどの情報家電製品から車載情報機器や人工衛星システムにいたるまで、数多くの組込みシステムに採用いただいています。日本市場のみならず、北米、ヨーロッパ、アジア市場向けに製品・サービスの販売活動を広げています。さらに、顧客様のシステムに特化した組込みアプリケーション開発やコンサルテーションも創業時より行っており、これら様々な規模のシステム開発実績による技術とノウハウの蓄積を背景としたサービスは、多くの顧客企業様より高いご信頼をいただいております。また、組込み技術の応用市場としての流通・物流業界においても、指定伝票発行用車載プリンタ、耐環境ハンディターミナル、冷凍庫ハンディターミナルなどの製品企画および販売を行い、高い評価をいただいております。

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組込みシステム向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOS「eSOL eMCOS」の開発は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて行っています。