2018年05月08日

~物体認識・識別および空間・経路探索の協調処理の実現に向けたUltraZ ADのハードウェア構成や安全設計などのコンセプトに合致する、イーソルのヘテロジニアスコンピューティング向けRTOSを提供~

報道関係者各位 
イーソル株式会社


イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、ヘテロジニアスマルチコア[*1]プロセッサ構成のザイリンクス社製Zynq® UltraScale+™MPSoC(以下MPSoC)が2チップ搭載された、高度自動運転開発ボード「UltraZ AD」(販売元:アヴネット株式会社)のエコシステムパートナーに、リアルタイムOSベンダとしてイーソルが選ばれたことを発表します。シングルコアからヘテロジニアスなマルチ・メニーコアプロセッサをサポートするPOSIX仕様準拠リアルタイムOS「eMCOS POSIX」を中核とするリアルタイムOSベースプラットフォームを提供します。機械学習ベースの画像認識アルゴリズムを組込み機器で容易に活用できる環境として提供されるザイリンクス社製「reVISION™スタック」や、オープンソースのROS[*2]が提供する豊富な機能の両方をサポートする唯一の商用リアルタイムOSであるeMCOS POSIXにより、信頼性の高い自動運転/自律制御システムの効率的な開発が可能になります。

UltraZ ADは、自動運転/自律制御向け組込み製品をターゲットとするディープラーニング開発ボードです。ザイリンクス社が開発する次世代ADASやインダストリアルIoT向けヘテロジニアスマルチコアプロセッサを搭載するMPSoCがUltraZ ADに2チップ搭載されています。それぞれ以下の役割と特長を持っています。

◆ MPSoC #1
センサリングやセンサフュージョン、クラシフィケーションなどの物体認識・識別を担います。OpenVXやOpenCV、Caffe、SSD、YOLOをはじめとする各種CNNをサポートした、ザイリンクス社製ビジョンガイド機械学習システム向けフレームワークのreVISIONスタックを利用できます。
◆ MPSoC #2
空間・経路探索(セグメンテーションおよびSLAM[*3])を担います。MPSoC #2上で動作するROS/ROS 2の豊富なパッケージを利用できます。

これらの機能を活用しeMCOS POSIXと組み合わせることで、高い信頼性・リアルタイム性を確保しながら効率的に自動運転/自律制御システムを開発できます。

eMCOS POSIXは、すべての各コアにマイクロカーネルが配置される「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用しています。ヘテロジニアス/ホモジニアスなマルチ・メニーコアおよびマルチチップにも対応するスケーラビリティにより、MPSoCに搭載されたArm® Cortex®-A53クアッドコアプロセッサのコア間通信や、UltraZ AD上の2つのMPSoCにおけるSoC間通信、さらに2つのMPSoC上で動作するアプリケーションを、1チップのユニプロセッサ上でスレッド間通信を実現するかのごとく、シンプルかつ簡単に開発および実装できます。また独自の高速なメッセージパッシングにより、プロトコルスタックやハイパーバイザを使わずに、SoC間の高速な連携を実現します。

イーソルはeMCOS POSIXを中心に、統合開発環境「eBinder」ネットワーク/ファイルシステム/USB/グラフィックスなどの豊富なミドルウェアに加え、製品サポートや受託開発などを含むプロフェッショナルサービスを統合し、リアルタイムOSベースソフトウェアプラットフォームとして提供します。eBinderはreVISIONスタックに含まれる(Zynq-7000 Programmable SoCおよびMPSoC向けSDSoC™開発環境と連携しており、SDSoCで生成したFPGAライブラリをワンクリックでeBinderにインポートできます。またROS/ROS 2の組込みシステムへの多彩な実装実績によって培われた適用技術および知見をベースとしたエンジニアリングサービスも提供します。

eMCOS POSIXは、機能安全規格ISO 26262(自動車)が定めた開発プロセスに準拠して開発されており、最高の安全度水準(ASIL D)のプロダクト認証の取得を計画しています。また、イーソルのリアルタイムOS製品の開発プロセスは、医療機器向け安全規格IEC 62304に準拠していることが認証されています。


ザイリンクス株式会社 代表取締役社長 サム ローガン(Sam Rogan)様 のコメント


「高度自動運転システムで求められる高精度の物体認識・識別と空間・経路探索の実現には、2つのMPSoCで分散協調処理をし、膨大な量のデータを高速処理することが必要不可欠です。イーソルのeMCOS POSIXの自律分散協調を可能にする分散型マイクロカーネルアーキテクチャや、機能安全対応、組込み機器へのROS/ROS 2適用技術は、UltraZ ADが提供する自動運転ECU開発プラットフォームのコンセプトに合致しています。弊社は今後も重要なエコシステムパートナーであるイーソル様と共に、ADAS/自動運転システム開発の支援に貢献してまいります。」


イーソル株式会社 常務取締役 上山 伸幸 のコメント


「UltraZ ADに搭載するリアルタイムOSのベンダとして弊社をエコシステムパートナーにご選択いただき大変光栄です。UltraZ ADとの親和性が高いeMCOS POSIXの分散ヘテロジニアスコンピューティングにより、高い信頼性・リアルタイム性を確保しながら、MPSoCのコア間およびMPSoC間のシームレスな高速通信や開発効率の向上を強力に支援します。」



*1 ヘテロジニアスマルチコア:異種のコアを複数混在したプロセッサ。対義語として同種コアが実装されたものを
   ホモジニアスマルチ・メニーコアと呼ぶ
*2 Robot Operating System:UNIX系OSを標準環境とするロボット用アプリケーションフレームワーク
*3 Simultaneous Localization and Mapping:自己位置推定と環境地図作成を同時に行うこと


■補足資料

eMCOSについて

eMCOS(エムコス)は、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートした商用では世界初の組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSです。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現しています。さらに、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。

「eMCOS」詳細

イーソル株式会社について

イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業の、組込み・IoT分野のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。

イーソル会社情報へ


*記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

報道関係者向けPDF形式ファイルはこちら

プレスリリース・記事執筆・取材依頼等のメディア関連についてのお問い合わせ

お気軽にご相談ください