概要
Google社を中心とするOpen Handset Alliance(OHA)が標準化と開発を進めているソフトウェアプラットフォーム「Android™」は、携帯端末だけではなく、その他の様々な組込み機器への適用が期待されています。しかし、Androidはカーネルに汎用OSであるLinuxを採用しているため、システムの起動時間やリアルタイム性といった性能とシステムの信頼性の点で課題があります。また、GNU GPLによるライセンス上の制限や、サポート、保証の面でも、納期やコストの制約に追われる忙しい組込みソフトウェア開発者が使うには、クリアすべき課題が多くあります。
イーソルは、カーナビや人工衛星システム、コンシューマ機器など様々な分野で採用実績をもつeT-Kernelを含む、優れたリアルタイムOS技術をベースに、Androidを利用した組込みソフトウェア開発のためのソリューションeSOL for Android™をご提供します。eSOL for Androidにより、クラウドコンピューティングを利用する情報家電や、車載機器、マルチメディア機器、業務用機器など、高い性能と信頼性を必要とする組込みソフトウェア開発を強力にサポートします。
eSOL for Androidは、AndroidのカーネルをLinux以外のOSに置き換えるための適応化ソフトウェアeSOL Adaptor for Android™と、Androidシステム開発向けテクニカルサービスeSOL Professional Services for Android™ で構成されます。
eSOL for Androidのメリット
eSOL for Androidは次のようなメリットがあります。
- 高いリアルタイム性能や高速起動が必須のリアルタイムシステムでもAndroidを利用可能
- GNU GPLをはじめとするLinuxの制約によりLinuxが使えないシステムでもAndroidを利用可能
- 幅広い分野で多くの実績をもつeT-Kernelにより、Androidシステムの信頼性を大きく向上
- マルチコアをサポート、マルチコアシステムのシステム保護機能により、さまざまなアプリケーションが混在する環境でもシステムの信頼性を確保
- JavaベースのAndroidアプリと、リアルタイム性と信頼性に優れたPOSIX/μITRON/T-Kernelアプリをひとつのシステム内に混在可能
- μITRON/T-Kernelに加え、WindowsやLinuxなどのOSでも多くの実績があるイーソルより、その経験と技術ノウハウをもとにした充実したサポートを提供
eSOL Adaptor for Android™
eSOL Adaptor for Androidは、AndroidのカーネルをLinux以外のOSに置き換えるための適応化ソフトウェアです。
eT-Kernel Adaptor for Android™
eT-Kernel Adaptor for Androidは、Androidの標準ライブラリ、ランタイム、アプリケーション・フレームワーク、アプリケーション・ソフトウェアを、リアルタイムOS eT-Kernel上で動作させるためのソフトウェアです。

eT-Kernelは、以下の4つのプロファイルから、開発対象のソフトウェアの規模と用途に合わせて最適なものを選択して利用できます。マルチコアプロセッサ向けには、eT-Kernel Multi-Core Editionを用意しています。eT-Kernel Multi-Core Editionを利用する場合でも、4つのプロファイルから最適なものを選択できます。さらにマルチコアシステムのシステム保護技術 eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioningの利用によりシステムの信頼性を大きく向上できます。
| POSIX仕様に準拠したリアルタイムOS | |
| メモリ保護機能とプロセスモデルを持った、大規模システム向けのリアルタイムOS | |
| eT-Kernel/CompactにT-Engine標準のデバイスドライバが付属したリアルタイムOS | |
| μITRONに似た構成を持った、コンパクトでリアルタイム性の高いリアルタイムOS |
eT-Kernel Adaptor for Androidの採用により、ユーザインターフェースやWebブラウザなど豊富なアプリケーションとミドルウェアが揃ったAndroidのメリットと、リアルタイム性能と信頼性の優れたeT-Kernelのメリットの両方を取り入れることができます。
Linuxの課題をカバーし、高い性能を実現
Androidシステムに、eT-Kernelのもつ優れたリアルタイム性を採り入れ、システム起動時間を高速化することができます。
高い信頼性をもつAndroidシステムの開発が可能に
eT-Kernelは、カーナビや人工衛星システム、コンシューマ機器など様々な分野で採用実績があり、その信頼性は実証済みです。さらにマルチコアプロセッサを利用する場合は、マルチコアシステムのシステム保護技術 eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioningの利用により、カーネルやプロセスのメモリ破壊を防止し、システムの信頼性を大きく向上できます。
Androidアプリと、リアルタイム性と信頼性の優れたPOSIX/μITRONアプリの共存が可能
リッチなGUIが必要なユーザアプリケーションや、リアルタイム制御が必須のアプリケーション、信頼性が必須のカーネルアプリケーションなど、アプリケーションにも様々な特性があります。eT-Kernel Adaptor for Androidの採用により、JavaベースのAndroidアプリケーション、POSIXアプリケーション、μITRON/T-Kernelアプリケーションをひとつのシステム内に混在させることができるので、それぞれの特長を活かしてアプリケーションを実装できます。

マルチコアシステムで、AndroidアプリとPOSIX/μITRONアプリを安全に共存
eT-Kernel Multi-Core Edition Memory Partitioningの利用により、高信頼性の確保が難しいAndroidアプリケーションと、高信頼性が求められるμITRON/T-Kernelアプリケーションを、安全に共存させられます。次の図は、コア0、コア1上にμITRON/T-Kernelアプリケーションを、コア2、コア3上にAndroidアプリケーションを配置した例です。それぞれのアプリケーションがパーティションとして分離されているため、お互いのメモリ破壊やカーネルのメモリ破壊を防止できます。パーティション間は、通常のPOSIX/μITRON/T-Kernel APIを利用して連携できます。

Android SDKが利用可能
Androidのアプリケーション・フレームワーク層以上は完全に互換性を持っているため、Android SDKに含まれるAndroidアプリケーションや開発ツールなどをそのまま利用できます。
Linuxを含むUNIX系OSのソフトウェア資産、エンジニアリソースの活用が容易
eT-Kernel/POSIXを利用することで、Linuxを含むUNIX系OS上の既存のソフトウェア資産や市販/オープンソースの豊富なソフトウェアを利用できます。また、国内外のUNIXアプリケーションの開発経験があるエンジニアを活用できます。
eSOL Professional Services for Android™
eSOL Adaptor for Androidの開発から得た知見とノウハウをベースに、Androidシステム開発向けの技術サービスとしてご提供するのがeSOL Professional Services for Androidです。eT-KernelベースのAndroidシステムにとどまらず、Linuxベースの標準のAndroidから、その他のOSを利用したAndroidまで、広くサービスをご提供します。
具体的には、AndroidのLinuxに組み込まれたシステムライブラリやHAL、標準ライブラリやAndroidランタイム、Android固有のbinderやLow Memory Killerなどの特殊なドライバ関連のカスタマイズサービスをご提供します。
以下はサービスの一例です。
- binderやLow Memory KillerなどAndroidの固有ドライバのカスタマイズ
- 標準ライブラリ、HAL、Androidランタイムのカスタマイズ
- μITRON/POSIXソフトウェア資産などのAndroidへの適応化
- パフォーマンスチューニング
- コンパイラやプロセッサポーティング
- デバイスドライバ開発
- ソフトウェア/ハードウェアプラットフォームのコンサルティング など
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